愛はきらめく星になっても | 闇鍋ハロウィーン

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漫画、小説(主にミステリー)等、好きなものについてだらだらと。
「あぁ、分かる~」とか「へぇ」と思って読んで頂ければ。
腐思考(嗜好?)なので、ご注意ください(^ω^;)

読んだ本及び漫画の中で印象深いセリフ、考え方に影響するセリフってあると思うのですが、私はこの本の冒頭で売れない漫画家マリナが公共料金の催促から逃れるために“留守中”として電話も出ない状況の中、夜の11時50分にもなろうとういう時間にしつこく鳴り響く電話に向かってのセリフが忘れられないブタネコ


十回で出ない時は、もう留守か、寝てるか、あるいは出たくないかのどれかなんだから、それ以上鳴らしたら、はっきり言って、ハタ迷惑。 (『愛はきらめく星になっても』から)


私は結構これを守ってます。

10回鳴らして出ないときは諦めますあせる

これ読んだとき、妙に納得したもんです得意げ


そんな冒頭で始まり、仕方なく出た電話には、担当の松井さんから見切りをつけられて数か月。

枕を電話機に投げつけた拍子に受話器が外れて、渋々出た電話口で聞いたのは、新しく変わった編集長がマリナの漫画をコミックス化してくれるというありがたい話。

ページは好きなだけあげるので、担当と打ち合わせして描いて欲しいとの編集長の言葉に、担当・松井さんからは半ば投げやりに「お嬢様ブームだから、お嬢様ものでも描けば」と提案が。

松井さんを見返し、売れっ子漫画家になるため、まずはお嬢様を取材しようと、唯一誇れる過去16年間の転勤先での3456人の友人が掲載された住所録から、とってもお嬢様の鈴屋美都の名前を見つけ、取材することにします。

とっても根暗な美都と成行きで、お嬢様学校の寮に入り込み、入り込んだ先ではレディなる気ままで我儘な美しい寮長に目を付けられたり、響谷薫にそっくりな“子爵”も居たりと事件の気配がぷんぷん。

異常なまでに美都を苛め抜くレディの真意は?


まんが家マリナシリーズの3冊目ですニコニコ

1巻の音楽学校を舞台にした殺人事件、2巻のパリを舞台にした芸術・歴史の謎に続いて、お嬢様学校内部の話と1冊完結のバラエティに富んだ設定で展開されますチョキ


鑑定士Qのように、このシリーズで得た知識って結構あります星

今回は宝石好きな寮長レディ・エメラルドがメインなので、宝石言葉やら、宝石のカラーなんかもこれで覚えました合格

ピジョン・ブラッドやらコーン・フラワーはこれで知りました。


まぁ、素で読むと気恥ずかしいあま~い設定が満載ではありますが、宝塚みたいなもんです。

この世界観に浸ってしまえば、女の子なら憧れるような盛り上がる描写、セリフで今読んでもハマりますラブラブ!

今時のコバルト文庫は子供向けに感じてしまうのですが、マリナシリーズはストーリーもちゃんとしてるし、謎も感じさせてくれるので先の展開が気になる上に、キャラに恋できます~ラブラブ

純真な乙女に還って読んでくださいにひひ


前巻2冊でもそうですが、最後ぐっとくる内容が詰まってます。

甘くて、豪華な設定に目が行きがちですが、藤本ひとみ先生は人の感情を描くのに長けているだと思います。

毎回、泣ける話となってますニコニコ



【マリナシリーズの以前の記事】

宝石赤『愛から始まるサスペンス』

宝石赤『愛の迷宮でだきしめて』


愛はきらめく星になっても―まんが家マリナお嬢さま事件 (集英社文庫―コバルトシリーズ)/藤本 ひとみ

     
     作者:藤本ひとみ

     出版社:集英社(コバルト文庫)

     1986年10月