遥か昔に読んですが、言わずと知れた御手洗潔シリーズの第一作目(だと思う)。
これを読んで御手洗 潔が好きになり、シリーズは張り切って読みました
戦前の辺り、画家の梅沢平吉が自宅敷地内にあるアトリエで密室状態の中殺されているのが見つかると同時に異常な手記も発見されます。
その手記には、各星座生まれには祝福された体の部位というものがあるそうで、各星座生まれのその部位を集めると「アゾート」と呼ばれる完璧な人体ができるという妄想が書かれていました。
実際に、その手記に従って、それぞれの占星術上、適切とされた地域から平吉の6人の娘たちが体の一部を欠いた状態で発見されるという事件が起きたものの、難事件として迷宮入りになります。
それから役40年後に占星術師を掲げる御手洗潔に友人・石岡和己がこの話を話し、御手洗は事件に興味を持ちます。
事件は戦前の話というのもあり、平吉の手記は少々暗い感じで金田一とかの映画で見るような回想っぽく、ちょ~っと読むのが辛かったような記憶が
話の中盤で明かされる「アゾート」の謎も当時、すっごい目にウロコでした
その後、『暗闇坂の人を食う木』、『水晶のピラミッド』、『アトポス』なんかも読みましたが最近は御手洗と石岡がセットじゃないのが寂しいですねぇ
『ネジ式ザゼツキー』も読みましたが、初期のような冒険要素がないからか、少々私としてはトーンダウンかも
御手洗潔シリーズの中では短編集『御手洗潔の挨拶』だったかに載っていた「数字錠」の話では御手洗潔がコーヒーを飲まない理由、御手洗の性格がうかがえる1編で非常に好きな話です
著者:島田 荘司
出版社:講談社(講談社文庫)
1981年