家賃費用の損害 | 司法書士菅波佳子のブログ

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東京電力福島第一原子力発電所から4キロの距離にある司法書士事務所。
東日本大震災は地震・津波の自然災害ですが、福島には原発の事故による人災が残される。
福島県双葉郡大熊町で東京電力福島第一原子力発電所の問題を考える司法書士のブログです。

家賃にかかる費用相当額の賠償手続きについてもアナウンスがなされたビックリマーク

http://www.tepco.co.jp/cc/press/2014/1234446_5851.html


避難指示区域の家賃相当額の損害については、平成26年3月までが包括的に賠償されていました。


これによると、


「賠償期間」は、

大熊町・双葉町及び帰還困難区域の世帯は、平成29年5月まで。


その他の区域の世帯は、避難指示解除後相当期間まで。


「賠償される額」は、

区域にかかわらず、避難者が負担した家賃相当額。


「手続きの方法」は、

避難指示の解除見込み時期が「決定されていない」区域は、請求時点から翌3月までの包括請求か、経過した月分の従来方式を選択。


避難指示解除の見込み時期「決定されている」地域は、解除見込み時期までのうちの賃貸契約の最終契約日までの包括請求か、経過した月分の従来方式を選択。



家賃の賠償については、原子力損害賠償紛争審査会(原賠審)の4次追補によって、事故当時借家に居住していた場合については、事故から8年間、事故時の家賃との差額分が賠償されると定められている。

http://www.mext.go.jp/component/a_menu/science/detail/__icsFiles/afieldfile/2013/12/27/1329116_011_1.pdf

(原賠審の中間指針4次追補)


しかし、ここで注意すべきは、8年間は差額が賠償されるが、都市部では大きく差があることから、「福島県都市部の平均的家賃」とされていること。


つまり、東京などの家賃との差額全額ではないということになる。


しかし、今回の東京電力の家賃賠償基準では、平成29年5月までは「負担した全額」を支払うとし、平成29年6月以降は「別途案内」とされているので、平成29年6月以降事故から8年までについては、原賠審の示した平均的家賃との差額になるのかも。。。。。


持ち家だった場合は、不動産賠償の受領がなされれば基本的には家賃の賠償はなされないことになるが、東京電力の賠償基準では、新たな不動産を取得できず(又は帰還出来ず自宅に住めず)に賃借が継続されていることで同じように平成29年5月までは支払いがなされるとのことのよう。