東京四十八区 第一区 | 『高堂巓古 Officia Blog』

東京四十八区 第一区

$『草四十八手』-photo.JPG 稲垣足穂が云うように、男が「てんぷらはどこそこのでなければ駄目」だとか「寿司は富山のあそこがたしかなんだがなあ」とか得意氣になりだしたら、もうそれは男として終わったということである。要は、精神的に老けこんだということなのだろう。云っている方は、自分がさも絶品を識っているかのような優越感を、紳士ぶって披露したいだけなのだ。そのような話は聞いていても、まことに不愉快になる。


ところで、讃岐うどんは恵比寿がうまい!!!


 JR恵比寿駅の改札内にある立ち食いうどん屋なので、電子マネーでピッとする必要がないばかりか、その改札のではいりする金でうどんが一杯いただける塩梅である。実に乱れきった舌の持ち主である小生ではあるが、ぶっちゃけぶっかけは本場さぬき以上だと確信している。さぬきはたぬきで、えびすが本場。是非、ご堪能あれ。


ところで、讃岐ふどんは月が鉄塔にのぼった夜に喰うとうまい!!!!


 最近にはじまったことではないが、日本人は疲れている。「星を視あげてごらん、人は星なんだ」と弟子に諭したのは、たしかイエス・クリストだったと記憶しているが、たしかに星を視て、帰路につくと軀の疲れ方がまったく違う。等しく星と人は繋がっていると視てよいだろう。疲れきった東京人よ。星を視あげて帰る途中、鉄塔のむこうに月が視えたら、それは讃岐うどんを食えという合図である。そうやすやすと単調に帰っていて何が東京か。恵比寿様がお持ちの鯛がうどんに変わる日も、遠くはないだろう。