阪大数学(2012)解答例 | うろこ雲のブログ

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前回の問題の解答例です。



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変数変換X=x,Y=y/aによりC1,C2がそれぞれD1,D2に移るとします。


D1,D2の方程式はそれぞれ


① D1: X^2+Y^2=1,


② D2: Y=2X-3


となります。


P,Qの距離が最小となるのはPにおける接線がC2と平行になる場合(のうちのいずれか)です。


D1,D2はそれぞれC1,C2をy軸方向に1/a倍にした図形なので、(距離が最小となる)Pに対応するC2上の点をP´とすると、P´におけるD1の接線はD2に平行になります。


一般に、D2に平行な直線の方程式は実数kを用いて


③ E(k): Y=2X-3+k


と表されます。(これはD2をY軸方向にkだけ平行移動させた直線です)


①,③を連立させると


④ X^2+(2X-3+k)^2-1=5X^2+4(k-3)X+(k-3)^2-1=0


が得られます。


④の判別式Fは


⑤ F=16(k-3)^2-20(k-3)^2+20=20-4(k-3)^2


なので、F=0となるのはk=3±√5の場合です。


E(k)とD2の距離は|k|に比例するので、P´がD2に最も近い点となるのは、k=3-√5のときです。


XY平面上のE(k)をY軸方向にa倍してxy平面上の直線E´(k)に移すと、このE´(k)はC2をy軸方向にakだけ平行移動させた直線になります。


E´(k)がx軸となす角度をθを置くと、PとC2との距離dは


⑥ d=|akcosθ|


となります。cosθ=1/√(1+4a^2)と表されるので、k=3-√5のときには、


⑦ d=(3-√5)a/√(1+4a^2)


となります。


よって求める最短距離は(3-√5)a/√(1+4a^2)となります。



(2) (1)より、a → ∞ の極限において


d=(3-√5)/√(4+1/a^2) → (3-√5)/2  (a → ∞)


となります。


よって求める極限値は(3-√5)/2であることが分かります。


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y軸方向に1/a倍させて考えると分かりやすくなる問題でした。阪大数学は計算の面倒な問題が多いので、こうした工夫で計算の負担を減らしたいところですね。