2014年の東北大理系数学です。
http://server-test.net/math/php.php?name=04_tohoku&v1=1&v2=2014&v3=1&v4=6&y=2014&n=6
これはちょっと難問かも。
以下に解答例を記します。
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(1)
① f´(x)=(n+1)/(a+x)-1/x=(nx-a)/x(a+x)
② f´´(x)=1/x^2-(n+1)/(a+x)^2
①よりf´(x)=0となるのはx=a/nのときで、このとき
f(x)=(n+1)log a/n-n log a/n-log a/n=0
また②より、このときf´´(x)=a^2・n^3/(n+1)>0となります。
よってf(x)が極値をとるのはx=a/nのときで、このとき極小値0をとることがわかります。
(2) 与えられた不等式の左辺をA(n),右辺をB(n)とし、P(n)=n[log A(n)-log B(n)]と置くと、
P(2)=2[log(7/4)-log√3]
(7/4)^2=49/16>3より7/4>√3なので、
③ 0<P(2)
2≦nに対し、Q(n)=P(n+1)-P(n)と置き、a(n)=nA(n),x(n)=(n+2)/(n+1)とすると
Q(n)=(n+1)[log A(n+1)-log B(n+1)]-n[log A(n)-log B(n)]
=(n+1)[log [a(n+1)/(n+1)]-1/(n+1)・log (n+2)]-n [log [a(n)/n]-1/n・log (n+1)
ここで、a(n+1)=a(n)+(n+2)/(n+1)=a(n)+x(n)が成り立つので、
④ Q(n)=(n+1)[log [a(n)+x(n)]-log (n+1)]-n[log a(n)-log n]-log x(n)
④の右辺は a=a(n),x=x(n)としたときのf(x)に等しく、しかも0<a(n),0<x(n)なので、(1)の結果から0≦f(x)が成り立ちます。
すなわち
⑤ 0≦Q(n)
③,⑤より
⑥ 0<P(n) (2≦n)
P(n)の定義から、⑥により
⑦ A(n)>B(n) (2≦n)
となり、題意は証明されました。
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(2)は東大でもそうそう出ないレベルの難問です。
本番ではなかなかQ(n)には気づかないんじゃないかと思います。
少し考えて無理だと思ったら見切りをつけて、他の問題に時間を使った方がいいかもしれません。
(1)だけをきっちり確保しておけば十分だと思います。
本番ではそういう判断力も重要になってきますね。