2013年末ポルトガル旅行(その5~日帰りポルト) | ドイツ・メアブッシュにて☆2人と2匹で暮らすドイツ

ドイツ・メアブッシュにて☆2人と2匹で暮らすドイツ

2012年3月末、
旦那様の転勤でチワワ2匹を連れて神奈川県から
ドイツ・メアブッシュ市へ引っ越してきました。
初の海外生活でわからないことだらけで
ドキドキの毎日です。。。
日々の珍道中、犬のことなど綴っていきます。

12月27日。

この日は日帰りで北部の街ポルトへ。

ポルトはポルトガル第2の都市で
ポルトガル発祥の地といわれる港町。
1415年にはエンリケ航海王子の指揮のもと、
大航海時代を切り開いていった
ヨーロッパの発展に重要な役割を果たした場所でもあります。
また、世界3大酒精強化ワインのひとつ、
ポートワインの生産地としても有名です。

※酒精強化ワインとは
まだ糖分が残っている発酵の途中にブランデーを加えて
酵母の動きを止めたワインで、食前・食後酒として飲まれるもの。


ポルトへはリスボンのサンタアポローニャ駅から
特急で3時間弱。
この日は朝の出発が早かったため、
地下鉄はまだ動いておらず、
早朝バスを乗り継いでサンタアポローニャの駅へ
向いました。
まだ夜明け前の真っ暗な小雨の中、
知らない土地で知らないバスに乗り、
無事駅に着くまでは不安でいっぱいでしたが
なんとか、特急の時間に間に合い、
ポルトを目指して出発。


ポルトガルの特急もなかなか立派。



車内も広々していて快適。
(写真は一等車)


ただ、線路があまり良くないのか、
天気が悪く風で煽られていたのかわかりませんが、
とにかく小刻みに揺れる、揺れる・・・
iPadで本を読んだりしていたんですが
完全に電車酔いして、あとは寝るしかなかった。


やはりドイツのICE特急の快適さには敵いません。


3時間弱でポルトに無事到着。


この日はあいにくのお天気で、
一日降ったり止んだり。
土砂降りではなかったものの、
青空に一度もお目にかかれなかったのは
残念でした。




ドウロ川沿いに広がるポルトの街並みです。
こんなオレンジ屋根のちいさな家々を眺めていると
ついつい「ジブリ映画」みたいだなぁなんて思ってしまいます。


川沿いに並ぶ高さも不揃いのエンピツのようなかわいい家々。
壁の色もバラバラのパッチワーク作品のような景色は
見ていてとてもワクワクします。


川沿いにはお土産物屋さんやカフェなどが並び、
観光シーズンにはお客さんでごった返すのでしょう。


この日はほとんど歩いている人もいませんでした。


見どころもたくさんあるポルトですが、
私が楽しかったのはこうした路地裏歩き。


狭い狭い路地を通り抜けて
軒先の洗濯物や、魚を焼くにおいを嗅ぎながら
ただぶらぶらお散歩しました。



カフェの店先ではカニ爪フライやバカリャウ(干し鱈)のコロッケなどの
お惣菜が売られています。どれもこれもおいしそう。
(レストランにランチに行く直前だったのでグっとガマン)



ランチはガイドブックで目を付けていたレストラン、
アバディア・ド・ポルト。
入り口が通りの裏手にあって分かり辛かったけど、
なんとか到着。


店内は落ち着いた雰囲気でお店の人のサービスもいい感じ。
実はポートワイン(というか酒精強化ワイン)があまり得意ではない
私たちは、残念ながら食前酒をパスし、ポルトガル産の
白ワインを注文。


今思えば、本場ポルトのポートワイン、一口だけでも
挑戦しておくべきだったなぁとちょっと後悔・・・


お料理は、私がどうしても食べたかった「トリパス」を注文。


トリパスとはポルトガル版「もつ煮」で、インゲン豆と一緒に
牛もつをじっくり煮込んだトマトベースの煮込み料理。


その昔大航海時代に、ポルトから船で航海に出る人たちのために
精のつく肉をすべて提供し、ポルトの人たちは残った臓物だけを
食べていたのだとか。
トリパスはそんな時代の名残で、ポルトの名物料理となっていて
ポルトガルのどこでも食べられるというわけではないみたい。
(リスボンでも探せば食べられるお店もあるかも・・・)


通常2人前の大きいお鍋で出てくることが多い煮込み系料理。
でもここのお店はハーフサイズ(1人前)もある。
ハーフサイズに、付け合せのライスがたっぷりついて10ユーロほど。
かなりお手頃。


トロトロになるまで煮込んだモツは絶品!
ヨーロッパではあまり食べる習慣がないので、
日本で食べて以来、約2年ぶりに食べたモツ煮込み。
最高でした。


そしてもう1品たのんだのがタコのてんぷら。
スライスしたやわらかいタコをサクっと揚げて
レモンを絞って食べるの。 これがまた絶品!!
オクトパスフィレと書いてあるお料理をオーダーしたら
焼きタコじゃなく、このてんぷらが来て、
うれしい誤算でした。
インゲン豆入りのライスがついて15ユーロくらい。


ポルトガルのタコ料理は、そもそも下ゆでの仕方が
日本と違うらしく、よく煮込んだ鶏肉のような、
ホロホロした食感でとにかくやわらかく美味。
毎日タコでもいい!と思えるくらい本当にどこで食べても
おいしかった。


サービスも味も雰囲気も、コストパフォーマンスも
とにかく抜群だったアバディア・ド・ポルト。
ポルトに行った際にはぜひ立ち寄ってほしいレストランです。


食後はまた街歩き。


みごとなアズレージョタイルの装飾のあるサン・ペント駅の構内。


大航海時代の栄華を今に伝える、キンピカな
サン・フランシスコ教会にも行きました。



360度どこを見渡してもキンピカキンピカ。

それなのに不思議と下品な感じはしなくて、
素直にその美しさに見とれてしまいました。

ヨーロッパの典型的な成金趣味のお城装飾なんかは、
個人的にあまり好きではないんだけど・・・
(というか食傷ぎみなんだけど・・・)

違いが何だったのか、どうして素直に見とれて
しまったのか、自分でもわかりません。
(ぜひその目で確かめてみてください)


ポルトガルの栄華がごく一時的だったという
悲しさのようなものがそこから感じられるからでしょうか。


エンリケ航海王子の家だったと言われているところ。
今は一部が博物館として使われています。



私たちは行きませんでしたが、このほかにも
ポートワインのワイナリーを訪ねる日帰りツアーなども
あって、観光は充実しています。


私は町の雰囲気や、食べ物なども気に入って
あと数日滞在してもいいなぁと思いました。


晴れた日のポルトはきっともっと素敵だろうな・・・


帰りはまた激揺れの特急で3時間。


もしまた来る機会があったら、絶対に電車じゃなく
飛行機で来ると心に誓ったのでした・・・