ガンバ大阪、2013年シーズンSB論~オ・ジェソクの起用法は!?【J特】 | ヒロ・ゴラッソ

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昨日から始まりました、今季の陣容を昨季の活躍ぶりと長谷川監督のサッカーとの相性を合わせながらポジション毎に見ていく特集。今日は【SB/サイドバック】です!!


 バックナンバー・・・【GK編】http://ameblo.jp/venger/entry-11454635134.html

            


攻守のバランスの良さがファーストチョイス!?

 長谷川監督の清水エスパルス時代の両SBのレギュラーを列記しれみると、市川大祐・児玉新・太田宏介。3人共にクロス精度が高く攻撃力を計算出来る戦力ですが、攻守のバランスの良さが際立つ選手でもあります。

 ただ清水時代はチョ・ジェジンやヨンセンといった長身FWが常にチームの最前線に君臨していたため、両SBにはアーリークロスも交えたクロス精度を要求されたと思いますが、現在のFW陣には佐藤晃大が長期離脱中とため、残り5選手は昨季15試合14ゴールのレアンドロ筆頭に180cm以下の大まかに分ければ”スピード系”のみ。クロスよりも、遠藤保仁・二川孝広からの必殺のスルーパスを主なアシスト源にしているので、清水時代とは違った選考になるでしょう。



 さらに最近スペインリーグの前半戦終了時(19試合分)のデータで面白いモノがあったのでそれを紹介します。

【パス成功本数】

1位バルセロナ 

13465本/1試合平均708本

2位レアル・マドリー

8025本/1試合平均422本


【パス失敗本数】

1位オサスナ 

2035本

20位(最小)バルセロナ

1599本  


【クロス本数】

1位オサスナ

556本

20位バルセロナ

279本


以上の3つの項目から、ポゼッションが高いバルセロナはパス精度が究極に高く、クロスを必要としていない、逆にパスワークが不得意なオサスナはクロスに頼っている、という事が理解出来ると思います。

 バルセロナの前線・中盤の選手で、クロスに対して中に入ってくる選手は、メッシ、イニエスタ、ペドロ、セスク、シャビなど、同ガンバはレアンドロ、遠藤、二川、倉田、家長といったどちらも小柄な選手のみ。

 つまりガンバにもバルセロナ同様に”クロス不要論”が当てはまるだけに、「クロス精度が・・・」という指摘はそもそもの論点がナンセンスとなります。


クロス不要論で加地の左サイドへのコンバートは!?

 ならば・・・とのSBに求める特徴としては1年前に大宮アルディージャに移籍した下平匠(バルサで例えるならアビダル)のようなビルドアップや中盤とのポゼッションに貢献する能力や、2年前に移籍した安田理大(同ダニエウ・アウベス)のような誰よりも攻守にアップダウン出来る無尽蔵の運動量となるでしょう。



 そうなると、今季から加入したロンドン五輪の韓国代表右SBオ・ジェソクは今までの「両サイド出来る」ではなく、「逆サイドはやった事はある」だけでない正真正銘の”両サイド対応型”。ただ本来の右SBとして起用してチームにフィットしてもらいたい前提と、攻守のバランスが際立つ加地亮の左サイドへのコンバートがあって良いのでは?と思います。ポゼッションに貢献出来るSBが皆無なので、キープ力のある彼ならばと。日本代表でも一時はそんな時期もありましたし。



 昨季ガンバで唯一リーグ戦フルタイム出場を果たした藤春廣輝は、その走力・スピードはリーグ屈指の能力を持つ逸材ですが、ビルドアップ能力に関しては疑問符がつく点や、1列目前で使ってみる価値もありと新監督が判断すればキング加地のコンバートもありか、と思います!!



 どう転ぶにしても、オ・ジェソクの加入により、ガンバのSB陣はJ1レベルでも最強レベルになった、と言えると思います☆


【退団】

エドゥワルド

30エドワルド 23歳

ナビスコ1試合(先発1)73分

呂比須が指揮したパウリスタから加入した左SB。精度の高い左足からのクロスが武器だったが、「両サイド出来るSB」との評価は、実際は本人も語る通り、「右サイドをやった事がある」だけ。開幕前に骨折している間に、彼を招いた呂比須も山本強化部長も去り、再び骨折。ナビスコカップでデビューを飾った直後に加地が怪我してチャンスか?と思われたのも束の間、3度目の負傷離脱。加地の再離脱により、リーグでもベンチ入りするも出場機会は全くなく、そのまま退団した。年棒2300万円の年棒だけでなく、外国籍枠1つは非常に高くついたアキレス腱となった。


【今季ガンバ所属のSB陣】

藤春 廣輝

4藤春廣輝 24歳

リーグ34試合(先発34)3060分1ゴール6アシスト、評価5.83
ACL5試合(先発5)450分、評価5.08

ナビスコ2試合(先発2)180分

天皇杯5試合(先発5)480分、評価5.75

大阪体育大学から加入3年目の左SBは昨季チーム唯一のリーグ全試合フルタイム出場。突っかける積極的なドリブルや豊富な運動量、スピード、アジリティなど、SBとして恵まれた能力を持っている。

 プロ1年目から、下平匠の負傷離脱からチャンスを得て先発定着。FWへのミドルパス、積極的な攻め上がりやカットイン、ミドルシュートなど持ち味を見せ、山形戦でプロ初ゴールを記録☆重要なゲームでのアシストも記録したり、相手CKからのカウンター時に50m5秒台の快速を最大限に活かす”藤春カウンター”も冴え、快速を守備にも活かせるようにもなった☆しかし、昨季は山口智や西野監督の退団で持ち味を活かせるように助けてくれていたメカニズムが機能麻痺を起こし、攻撃面で6アシスト記録も、守備の決壊に繋がってしまった。

 個人的には世界レベルのスピード・スタミナ・突破力を持っていると感じるので、新監督の下で新たな刺激を経て、”本物のワールドクラス”への脱皮を果たしてもらいたい!!

加地 亮

21加地亮 33歳

リーグ16試合(先発16)1342分3アシスト、評価5.59

ACL5試合(先発5)400分、評価5.17

ナビスコ1試合(先発0)17分

天皇杯5試合(先発5)480分、評価5.75

相変わらず欠場が多いものの、その穴の大きさを痛感させられる存在。自身のサイドだけでなくセンターバックのカヴァーも行うなど鉄壁で、ガンバ全体で最も安定したパフォーマンスを見せる。自身の身体のケアも完璧なぐらい時間かけてケアするため・・・9時から練習なら6時台には練習場に来ているらしい。汗っかきで、水分補給を丹念に行い、練習前にトイレに2回行って意味ないとか・・(笑)

※昨季は3度の長期離脱の怪我を負い、夏にフロントは韓国五輪代表右SBを補強を検討し、そのオ・ジェソクが今季から加入。しかし、長期離脱明けの選手を1週間で3試合も出場させた首脳陣の管理の方が問題ありとも言えます!!リーグ最終節で強行復帰し、天皇杯でも決勝まで右サイドを支え、攻守共にさすがのバランス感覚。

 そのバランス感覚やCB以上の守備力の高さ、ガンバ特有の左サイドでのポゼッションを考慮し、左サイドへのコンバートはアリでは?と思うのですが、いかがでしょうか?

沼田 圭悟

33沼田圭悟 22歳

ACL1試合(先発1)90分、評価6.00

天皇杯1試合(先発1)90分

高校卒業後3年間はブラジル留学でプレー。呂比須が指揮したパウリスタのテストを合格するも怪我により契約に至らなかったが、ガンバでテスト合格。テストとなった練習試合を観ましたが、位置取りが低く、重心の低い左SB。ハングリー精神旺盛のため、運動量豊富で激しいプレーができ、左足の精度もまずまず。サポーターにも人気のある好青年は、ACLの消化試合でデビューし、積極的な好プレーを披露したが、天皇杯ではイマイチな出来に終わり、結局メンバー入りしたのはこの2試合のみ。

実力者の3人を前に完全にバックアッパー扱いになりますが、そのハングリー精神で試合登録メンバーに絡めるか!?

【新加入】

2呉宰碩(オ・ジェソク) 23歳(新加入)

韓国Kリーグ・江原FCから移籍金・推定8000万円と年棒3000万円とJ2降格したチームが破格が大金賭け獲得した、今季唯一の補強選手。ロンドン五輪の韓国代表右SBとして3位決定戦で日本と対戦したが、大会中はオーバーエイジの選手にポジションを奪われていた。しかし、CBも出来る守備力と左右のSBを問わずにこなせるポテンシャルは高い。プロデビュー戦が2010年の水原三星時代のACLのガンバ戦だった事もあったり、新体制発表会見での発音の良い日本語での自己紹介もあり、好印象。彼が加入した事で、ガンバのSB陣はJリーグトップクラスになったと言える☆


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2011Jリーグ特命PR部員 hirobrown