Blues Power

2月9日(木)、渋谷公会堂でTedeschi Trucks Bandのライヴを見て来ました。

名古屋、大阪、東京の初日がすごかったとは聞いてたけど、予想を遥かに上回る圧倒的なパフォーマンスに未だに興奮覚めやらず状態であります。

席は前から7列目ながらホールの一番左端、フロントのメンバーはよく見えたのですがドラムスの2人がキーボードが邪魔して良く見えなかったのがちょっと残念。
Blues Power

今回の4公演、セット・リストは全部違ったみたいですね。

昨年のアルバム「Revelator」からの曲を中心にやるのかと思ったら結局Learn How To Love、Bound For Glory、Midnight In Harlem、Love Has Something Else To Sayの4曲だけ。

それ以外はニルソンもカヴァーしたフレッド・ニールのEverybody's Talkin'(これ何のCMで使われてましたっけ?)、デラニー&ボニーのComin' Home、ジョン・セバスチャンがウッドストックで歌ってたDarlin Be Home Soon、スティーヴィー・ワンダーのUptight、ブルーズ・スタンダードのRollin' And Tumblin'、スピリチュアルのWade In the Waterなどを独自の解釈でカヴァーしたバラエティーに富んだ選曲でした。

デレク夫妻を中心にキーボード、ベース、ツイン・ドラム、ホーン3人、コーラス2人、計11人の大所帯が繰り出すサウンドはブルーズ・ロックをベースにしたものですが、そこに16ビートのファンキーな要素がブレンドされているのが彼らの最大の魅力。

それをライヴではオリジナルのレコードのアレンジを大胆に解体、個々のインプロヴィゼーションによるジャム・セッションに発展させていくやり方はまさに70年代にオールマン・ブラザーズ・バンド他幾多のバンドがアプローチしていた手法ですが、互いの出す音を探り合いながらのルーズな展開から次第に全員の音が一体となって生み出される大きなうねりと音の洪水によるトランス空間はまさに鳥肌もの。

スーザンのヴォーカルとシャウトは想像以上に力強くギター・ソロもエモーショナルな中に女性らしい繊細さも感じさせるものでしたが、なんと言っても黒のノースリーブのミニのワンピース姿はとってもキュートで思わず目が釘付けになっちゃいました(笑)
Blues Power←写真は借り物です

デレク・トラックスを見るのは2006年にクラプトンと来日して以来、レッドのギブソンSGを曲のチューニングに合わせて何台か使い分けてましたが、ピックを使わない独特の奏法による指弾き、スライドのソロはとにかくすごいの一言。

特にスライドのプレイは思わず息を飲んでしまいそうになるすさまじさで、まさにデュアンが乗り移ったかのようでした。

そうそう、アンコールのMidnight in Harlemの導入部分でオールマンのLittle Marthaのフレーズがちょっとだけ登場したのには思わずにんまり。

2人をサポートする9人のプレイも素晴らしく、中でも新生オールマン・ブラザーズ・バンドのベーシストでもあるオテイル・バーブリッジのベースは強力な2人のドラマーと一体となって低重心で粘っこいサウンドを生み出すかと思うとめちゃファンキーな16ビートのグルーヴで圧倒します。

オテイルの弟のコフィのハモンドとキーボード、切れ味鋭い3人のホーン隊、時折ソロを取るコーラス2人のプレイも強力でしたが、コーラス、ホーン勢のお茶目なパフォーマンスがめちゃ笑えました。
Blues Power←写真は借り物です

1970年代のクラシック・ロック、彼らはそれを単になぞるのではなく2012年のTedeschi Trucks Banの音に昇華させていました。

Come See About Meをやらなかったのが残念でしたが、ライヴの余韻に浸りながら帰りがけ渋谷の街でつい飲み過ぎてしまい、翌日の午前中は二日酔いでへろへろでありました(笑)

アンコール前のラストでやったBound For Glory、去年のモントルー・ジャズ・フェスティバルでの映像でデレクのスライドソロが圧巻です。

Tedeschi Trucks Band - Bound For Glory


<Set List>
Tedeschi Trucks Band 
2012.02.09 Shibuya Public Hall

1. Everybody's Talkin'
2. Comin' Home
3. Days Is Almost Gone
4. Rollin' And Tumblin'
5. Learn How To Love
6. Wade In the Water
7. Stevie Groove(メンバー紹介)
8. Darlin Be Home Soon
9. Nobody's Free
10. That Did It
11. Uptight
12. Bound for Glory
- encore -
13. Midnight in Harlem
14. Love Has Something Else to Say

Derek Trucks – guitar
Susan Tedeschi – guitar and vocals
Oteil Burbridge – bass guitar
Kofi Burbridge – keyboards and flute
Tyler Greenwell – drums and percussion
J. J. Johnson – drums and percussion
Mike Mattison – harmony vocals
Mark Rivers – harmony vocals
Kebbi Williams – saxophone
Maurice Brown – trumpet
Saunders Sermons – trombone


Revelator/Tedeschi Trucks Band