Blues Power

今日の東京は冷たい雨が降ってこの冬一番の寒さ、初めてセーターとマフラーを引っ張り出しました。

写真は銀座の木村屋の前で見かけた変なオブジェ、思わずこちらまでニンマリしてしまいそうです。

未だクラプトン&ウィンウッド熱が醒めやらず状態が続いていますが、今日はクラプトンが1983年にリリースした「Money And Cigarettes」。
Blues Power

ポリドールからワーナーに移籍、自身のダック・レーベルを設立して最初のアルバムは「Another Ticket」に続いてトム・ダウドのプロデュースによりバハマでレコーディングされました。

イギリス人によるバンド・メンバーで制作された前作との大きな違いはマッスル・ショールズからロジャー・ホーキンス(dr)、ブッカー・T & The MGsからドナルド・ダック・ダン(b)という最強のリズム隊とギターにライ・クーダーを迎えている事で、唯一アルバート・リーだけが前作から引き続いて参加してます。

これによってクラプトンのアメリカ南部音楽指向が理想的な形で引き出され、バハマという環境も相俟ってリラックスした中に弾力的なグルーヴとスリリングなプレイを随所に聴く事が出来ます。

1曲目のEverybody Oughta Make A Changeはスリーピー・ジョン・エスティスのブルーズ・カヴァー。

1分45秒からの右チャンネルのクラプトン、左チャンネルのライ・クーダーのスライド・ギター・バトルはもちろん、ダック・ダンとロジャー・ホーキンスのうねるビートも絶妙です。

Eric Clapton - Everybody Oughta Make A Change



続いて3曲目はクラプトンの書いたAin't Going Down

ちょっとAll Along The Watchtowerを彷彿とさせるナンバーで、アッパーでグルーヴィーなリズムを叩き出すリズム隊と全編に渡ってフィーチャーされたスリリングなクラプトンのギター・ソロがかっちょいいです。

Eric Clapton - Ain't Going Down



最後に6曲目(B面1曲目)のPretty Girlはいかにもクラプトンらしいメロウなラヴ・バラード。

じっくりと語りかけるようなクラプトンのヴォーカル、2分37秒からのアコギ・ソロ、3分23秒と4分33秒からのエレクトリック・ソロ、いずれも味わい深いです。

Eric Clapton - Pretty Girl



いろんな迷いがあったであろう1980年代にクラプトンが残したアルバムの中では個人的に一番好きな作品です。

なんでこのアルバムの次に「Behind The Sun」が出来ちゃったんだろう・・・。


Money & Cigarettes/Eric Clapton


Produced By Tom Dowd And Eric Clapton

Eric Clapton - guitar, slide guitar, vocals
Ry Cooder - guitar
Albert Lee - guitar, keyboards, vocals
Donald "Duck" Dunn - bass
Roger Hawkins - drums
Chuck Kirkpatrick - background vocals
John Sambataro - background vocals


1. Everybody Oughta Make A Change
2. The Shape You're In
3. Ain't Going Down
4. I've Got A Rock N' Roll Heart
5. Man Overboard
6. Pretty Girl
7. Man In Love
8. Crosscut Saw
9. Slow Down Linda
10. Crazy Country Hop