今日は久し振りに日本人のアーティストです。

以前kazgaddさんも記事にしていた角松敏生が1989年にリリースしたライヴ・アルバム「TOSHIKI KADOMATSU SPECIAL LIVE `89.8.26 / MORE DESIRE」。
$Blues Power

このアルバムの存在を知るまでは角松敏生の名前は知っていたもののヒット曲以外の音はほとんど聴いた事がありませんでした。

更に友人から角松敏生のコンサートにはやたら綺麗な女性が多いみたいな話を耳にしていたせいで、
羨ましいけどちょっとやなやつって印象でした(笑)

ところがある日FMから流れて来たアルバムからの鈴木茂の曲のカヴァーを聴いてむむっこれはって思いレコード店に足を運んで収録曲を見て即CDを購入しました。

アルバムは1989年8月16日、日比谷野外音楽堂で行われた一夜限りのスペシャル・ライヴの音源で、はっぴいえんど(M-1)、鈴木茂(M-2,5,6)、小坂忠(M-4)など僕が高校~大学時代に大好きで聴いていた日本のロックの名曲をカヴァーしています。

更にバック・ミュージシャンも鈴木茂(g)、今剛(g)、青木智仁(b)、小林信吾(key)、村上秀一(dr)、斎藤ノブ(per)と豪華なメンバーが顔をそろえています。

もうこの時点で、なんだ角松って結構いいやつじゃんといつの間にか評価が変わっちゃいました(笑)

改めて今回wikiで調べてみると小学生の頃にはっぴいえんどに出会って以来ティンパン系が好きだったらしく、憧れだったアーティスト達のそれこそLPを擦切れるまで聴いたであろうナンバーを最高のミュージシャンをバックに再現するという、アーティストや楽曲へのリスペクトや愛情がとても感じられる素敵なアルバムになっています。

M-1の花いちもんめは角松敏生の原点となったはっぴいえんどが1971年にリリースした2ndアルバム「風街ロマン」からのナンバー。

ちょっとサイケ色を感じさせるはっぴいえんどのロック・ナンバーが1989年型のご機嫌なファンク・チューンに生まれ変わっています。

Toshiki Kadomatsu - 花いちもんめ



M-4の機関車は小坂忠が1975年にリリースした「ほうろう」収録されていたバラードの名曲。

実は最初に買ったCDはずっと行方不明状態でこの曲をもう一度聴きたいがためにCDを買い直しました。

角松敏生の情感溢れるヴォーカル、鈴木茂のスライド、今剛のリード・ギター、村上秀一のタメの効いたタイム感、青木智仁のちょっとジャコを思わせるベース、小林信吾のピアノ、全てが絶妙です。

Toshiki Kadomatsu - 機関車



最後にライナーから本人のコメントを抜粋します。

「あの晩は、正直言って、みんな酔っ払っていた。プロとしてスクエアなプレイなんてきっと誰一人していないだろう。でも、みんなが楽しかった。(中略)おそらく、あれだけのメンバーに、あれだけメチャクチャなプレイをさせた奴はあまりいない筈である。それが嬉しい。だからこのアルバムは、是非、デロデロに酔って聴いて欲しい」

SPECIAL LIVE’89/角松敏生



1.花いちもんめ
2.レイニー・スティション
3.山手ホテル
4.機関車
5.八月の匂い
6.100ワットの恋人
7.DESIRE
8.OVERTURE (STUDIO VERSION)
9.DESIRE (STUDIO VERSION)