曇り空の週末の昼下がりにこんなアルバムを聴いてました。

フィフス・アヴェニュー・バンドが1969年にリリースした1stアルバム「The Fifth Avenue Band」。
Blues Power


1968年にニューヨークのグリニッジ・ヴィレッジで6人の若者によって結成されたフィフス・アヴェニュー・バンドは

1970年に解散、わずか2年の活動期間中に残したアルバムはこの「The Fifth Avenue Band」1枚のみ。


アルバムはエリック・ジェイコブセン、ザル・ヤノフスキー、ジェリー・イエスター、3人のプロデューサーのもとで

ロサンゼルスに渡って行われました。

グリニッジ・ヴィレッジ、五番街の都会的で洗練されたサウンドが、ロサンゼルスの乾いた空気との絶妙な化学反応によって、ジャケットのイメージそのままのキラキラと眩しいまでの普遍的なポップ・ミュージックに昇華されました。


ロック、R&B、ボサノヴァ、フォーク、カントリー、ジャズなどの要素を巧みにブレンドしたサウンドは彼ら独自のもので、何よりもフラワー・ムーヴメントが全盛だった1969年の時点でこんなにPOPで洗練されたサウンドを生み出していた事が奇跡のように思えます。


11曲中7曲のソング・ライティングを手がけているピーター・ゴールウェイは後にオハイオ・ノックス~ソロ・アルバムをリリース、山下達郎をはじめ多くの日本のミュージシャンに大きな影響を与えた事は有名ですね。


今日はアルバムから3曲紹介しますがどれも2分30秒弱の小品ばかりなので良かったらお付き合い下さい。


M-2のOne Way Or The Otherはケニー・アルトマンのペンによるジャジーでメロウなナンバー。


ポップでスィートなメロディーラインとコーラス・ワークが素敵です。


One Way Or The Otherの試聴は→こちらをクリック ヘッドフォン



M-4のEden Rockはピーター・ゴールウェイとケニー・アルトマンによる共作曲。


ボサノヴァ・タッチのリズム・アレンジをバックに哀愁感漂うナイーヴなAメロと明るいメロディラインのサビとのコントラストが印象的。


間奏のピーター・ゴールウェイのアコギのソロも短いけど絶妙です。


Eden Rockの試聴は→こちらをクリック ヘッドフォン



M-7のNice Folksもケニー・アルトマンのペンによるポップ・チューン。


跳ねるようなシャッフル・ビートとパーカッシヴなアコースティック・サウンド、テンションを交えたコード進行が

いかにもフィフス・アヴェニュー・バンドらしいなって思います。


この曲やM-2のOne Way Or The Otherを聴くとシュガー・ベイブや山下達郎に与えた影響の大きさを改めて感じます。


Nice Folksの試聴は→こちらをクリック ヘッドフォン


メンバーのジョン・リンドは後にヴァレリー・カーターとハウディ・ムーン を結成、その後EW&FのBoogie WonderlandやマドンナのCrazy Fo Youの作曲を手がけています。



フィフス・アヴェニュー・バンド/フィフス・アヴェニュー・バンド

Produced by Erik Jacobsen, Zal Yanovsky, Jerry Yester


Peter Gallway(Guitar, Vocals)
Kenny Altman(Bass, Guitar)
Jerry Burnham(Bass, Flute)
Pete Heywood (Drums)
Jon Lind(Vocals)
Murray Weinstock(Keyboards)


1. Fast Freight
2. One Way Or The Other
3. Good Lady Of Toronto
4. Eden Rock
5. Country Time Rhymes
6. Calamity Jane
7. Nice Folks
8. Cockeyed Shame
9. Faithful Be Fair
10. In Hollywood
11. Angel