初めて聴いたEW&Fのアルバムは1975年、僕が京都で学生生活をスタートした年にリリースされた2枚組のLIVE&スタジオ録音盤「Gratitude」でした。

オープニングのMCに続いて始まるインストルメンタル・ナンバーAfricano/Powerを聴いた瞬間、それまで聴いた事の無かった強烈なグルーヴに脳天を直撃されました。

ソウル、ファンク、ジャズ、アフロビートなどのブラック・ミュージックの究極の進化形もといえるアルバム「Gratitude」は彼らの最高傑作と言って良いと思います。

そんな一番脂の乗りきった時期にリリーされたのが翌1976年発表の8thアルバム「Spirit」。
$Blues Power

EW&Fの魅力はモーリス・ホワイトとフィリップ・ベイリーの2枚看板のヴォーカル、スピード感溢れるリズムを刻むヴァーダン・ホワイトのベースとラルフ・ジョンソンのドラム、ジョニー・グラハムとアル・マッケイ2人のギタリストのファンキーなコード・カッティング、ラリー・ダンのグルーヴィーなキーボードが生み出すタイトでシャープなグルーヴ。

1980年代に入ってからの彼らはコマーシャリズムに乗って方向性を見失ってしまいましたが、1970年代の彼らは間違いなく最強のソウル・ジャズ・ファンク・バンドでした。

オープニングを飾るのはシングル・カットにもなったGetaway

ひたすら前のめりのグルーヴを刻むリズム隊、シャープなギターのコード・カッティング、切れ味鋭いブラスをバックに、モーリス・ホワイトとフィリップ・ベイリーのファルセット・ヴォイスが交互に登場するご機嫌なファンク・チューンです。

Earth,Wind & Fire - Getaway



M-3のImaginationはフィリップ・ベイリーのファルセット・ヴォイスをフィーチャーしたとろけるようなメロウでスィートなミディアム・スロー・バラード。

フィリーソウル風味のサウンドの陰でリズム隊がさりげなく仕掛けを決めているあたりがEW&Fならではですね。

Earth,Wind & Fire - Imagination



圧巻けはM-8のBiyo、アフロ、ソウル、ファンク、ジャズ、ロックの要素をブレンドしたEW&Fらしさが凝縮されたファンキーなインストルメンタル・ナンバー。

ロックなギター・ソロ、アフロなカリンバ、ジャジーなソプラノ・サックスが16ビートのリズムの洪水の中を縦横無尽に駆け巡ります。

Earth,Wind & Fire - Biyo



Spirit/Earth Wind & Fire


Produced By Maurice White

Maurice White(Vocal,Kalimba,Drums,Timbales)
Philip Bailey(Vocal,Congas,Percussion)
Verdine White(Vocal,Bass,Percussion)
Larry Dunn(Piano,Organ,Synthesizer)
Ralph Johnson(Drums,Percussion)
Al McKay,Johnny Graham(Guitar)
Andrew Woolfolk(Sax)
Fred White(Drums)

<Horn>
Lew McCreary(Bass Trombone)
Charles Loper, George Bohanon, Louis Satterfield(Trombone)
Charles Findley, Michael Harris, Oscar Brashear, Steve Madaio(Trumpet)
Arthur Maebe, David Duke, Marilyn Robinson, Sidney Muldrow(French Horn)
Don Myrick(Saxophone)
Tommy Johnson(Tuba)
and more...

1. Getaway
2. On Your Face
3. Imagination
4. Spirit
5. Saturday Nite
6. Earth, Wind & Fire
7. Departure
8. Biyo
9. Burnin' Bush