Badgerと言うバンドをご存知でしょうか?

Yesのオリジナル・キーボード奏者トニー・ケイ(リック・ウエイクマンは彼の後任)がYesを脱退した後に結成した

バンドで1stアルバムの「One Live」(1973年)は当時僕もLPで聴きましたがそれ以降はスルー状態でした。

Blues Power


実は2年ほど前にネットで偶然出会った大学の同期生、岐阜のTHIS BOYさんがそのBadgerの2ndアルバム

「White Lady」をアラン・トゥーサンがプロデュースしてるから一度聴いてみろと音源を送ってくれたらこれが思いの他良くてびっくり。

Blues Power


以前kossoffさんも記事にされていますが 、Yesのトニー・ケイ目当てで1stの延長線上で聴くと期待はずれな事は間違いないニューオリンズ・サウンドを何故彼らが手がけたのか気になって辿り着いたキーマンが今日紹介

するジャッキー・ロマックスです。


彼はBadgerにはこの2ndアルバムから加入しているのですが、その前はソロ活動をしていてデビュー・アルバムはアップル・レコードからジョン・レノン以外の全メンバーが参加して制作されましたが泣かず飛ばずで終ってしまったようです。


その後、ワーナーと契約して1972年にリリースした3rdソロアルバムが「Three」です。
Blues Power


Produced by John Simon
Recording at Bearsville Sound Studios


Jackie Lomax(vocals, bass, electric, acoustic & wah-wah guitars)
Bryn Haworth(guitar, mandolin)
Israel Zacuto(guitar)
John Hall(steel guitar)
John Simon(keyboards, piano, drums)
Marty Grebb(organ)
Bill Rich,Rick Danko(bass)
Burnard Purdie,Levon Helm,Bruce Rowland,N. D. Smart(drums)
Cecil Bridgewater(trumpet)
Howard Johnson(tuba, baritone sax)
Trevor Lawrence(alto flute, tenor sax)
and more...


イギリスからアメリカに渡りジョン・サイモンのプロデュースによりベアズヴィル・スタジオでレコーディングが行われ、バックにはリック・ダンコ、レヴォン・ヘルム、ジョン・ホール、バーナード・パーディーなどが参加して南部風味のスワンプ・ロックを展開しています。


この後を追ってリリースされるロバート・パーマー、ジェス・ローデン・フランキー・ミラーたちの一連の作品と同様にアメリカのルーツ・ミュージックへの憧憬を現地のミュージシャン達とレコーディングする事で具現化しようとした事が如実に伝わって来るアルバムです。


M-1のNo Reasonはルーズなビート、ドライヴのかかったスライドのリフ、ブラス・アレンジがごきげんなスワンピーなロック・ナンバー。


ジャッキー・ロマックスのソウルフルなヴォーカルがかっこいいです。


M-3のHellfire, Night-Crierはギターにジョン・ホール、ベースにリック・ダンコ、ドラムスにレヴォン・ヘルムが

参加。


ジョン・ホール独特のコード・カッティングはオーリアンズを思わせ、そこにザ・バンドのリズム隊が合体したサウンドがPOPで面白い味わいを醸し出しています。


でもBadgerの「White Lady」もそうですが、このアルバムもバックミュージシャンの情報が無ければジャケ買いはまずしないですよね。


Three/Jackie Lomax


No Reason、Hellfire, Night-Crierの試聴はこちらヘッドフォン