声優っていうと、最も早道は

プロダクション付属の養成所→プロダクションに所属してデビュー!!

っていう事になりますよね。

声優志望の子はその道を目指すと思います。アニメを好きで見ていて、自分にもやれそうな気がして養成所に入る。
最初にみんな言うのが「努力は惜しみません!!」

でも、最初に言ってる程努力する子って残念ながらほとんどいないです…

でも中にはこちらが驚く程努力して、あっという間にプロダクションの「預かり」「ジュニア」になれる子もいる事にはいるんですよね。

…100人に一人もいないんですが…

でも、せっかくそこまでやっても、その後数年で辞めてしまう子もたくさんいます。
レッスンも受けつつ、バイトもして、たまにオーディションやちょっとした仕事ももらって、生活もしていかなきゃならない。

でもこの世界のオーディションや仕事ってかなり急な場合や、「仮押さえ」をされても仕事がバレてしまうなんて事は日常茶飯事です。

「三日後、仕事に行けますか?」と言われたら対応できないと話にならない。
対応しようとして、そのたびにアルバイトを休まないといけなくてクビになって、またアルバイトを探して…
または、「今月、3日から10日まで仮押さえです、うち、録音(撮影)がどこかに三日間入ります」と言われて予定を空けていたら「バレました(無くなりました)」と言われる。その間、仕事がを休んでいたので、収入が無い…

本当にキツイです。

実際に自分で生計を立てていない学生さんや、実家暮らしでアルバイトをしている人には、きっと想像できないでしょうし「それでもがんばるんだ」と何の根拠もなく考えている人が多いと思います。

でも、東京に出て、生活と養成所やプロダクションの板挟みで辞めていっている子を沢山知っています。
「家賃が、食費が、レッスン料が払えない」って、実際になったら、本当に追い詰められてしまうんですよね。

でも、自分の今までの勉強、スキルを生かして専門学校や、養成機関の講師をやる方も結構います。同じプロダクションの人と入ったら予定もシェアしやすいですし、時間あたりの単価が良いから時間を作って出演のお仕事を入れやすい。

というんで、以前、知り合いに仕事を紹介した事があるんですが…

その方の最終学歴が「高卒」だったのです。
そうすると、専門学校に来る高卒の人を高卒者が教えることになって、補助金の関係で、専門学校では講師として雇用できなかったのです。

せっかく現場に出たり教えるスキルもあるのに、それが出来ないってのは、もったいないです…

「専門学校に行っても、結局提携の養成所にまた行くことになるから無駄だ」
と、若い子は勢いだけで考えているけれども、学歴ってどこで役に立つかわからないもんです…

いろいろな考えはあるでしょうが、
ウチみたいな専門学校で声優の勉強をしながら、パソコンの資格も取り、学歴も短大卒以上を得たり、または大学を卒業する…

それも、ぼくはテだと思います。

長く踏みとどまれるかどうかもこの世界で生きていくコツかもしれません、
自分のチャンスは、三年後かもしれませんが、地道に続けた十年後かもしれません。

宣伝みたいな事ですけど、高校を出てから、七年以上養成所に通ってモノにならず、フリーターに…
って子も沢山います。

「養成所に入って、三年後には有名声優として仕事をしている」なんて思っている子が山ほどいます。
でも、そんなことは現実にはありませんし、
私の知っている、某声優さんも、みんな知っているアニメにレギュラーとして出ていましたが、明くる年にはレギュラーはなく、ナレーション、スポットの役、そして講師の仕事と追いまくられています。

ファンあってのお仕事ですから「生活キツイよ」なんて言えないですけど、いつ仕事が無くなるか分からない世界ですから…

せめてもっと努力だけはしてほしいなぁ…