実は私は、仕事の関係で由井氏と面識があります。もっとも面識があると言っても、それは“出版”の仕事に関した部分だけで、私自身はホメオパシースクールで勉強したこともありませんから、由井氏とホメオパシーについて“突っ込んだ話”をするのは不可能です。ただ~私は漢方を手始めに多くの代替療法を経験しており、またホメオパシーでは「花粉症」の症状を劇的に好転させた体験があります。
由井氏はまったく豪放な性格で、何となく田中真紀子氏に似ているのですが、その知識の幅がとても広いことに驚いたことがあります。医師免許はお持ちでないですが、現代医学も積極的に学んでいて、医師の知り合いも多いようです。さらに、健康問題との関連から自然農業にも実際に取り組んでいます。
さて、由井氏の公開セミナーに行くと(私は二~三度行きましたが)、会場は二十代~四十代くらいの女性を中心にした熱気溢れる人たちで満員。話がうまく面白いのです。ただ、ときどき激烈な“放送禁止用語”が飛び出したりします。それに、ロンドンを中心に海外生活が長いので(前のご主人は英国人)、そのときの話題はさらに面白い。
![癒されたいなら出かけよう、お寺も神社もスピリチュアル](https://stat.ameba.jp/user_images/20110726/12/v-luck4578/b9/c5/j/o0157022711374468325.jpg?caw=800)
ところでこの著書では、由井氏は自分の生まれ育った境遇を赤裸々に明かしています。もちろんセミナーなどで断片的にお聞きしていましたが、まさに凄まじいと表現できる環境です。たしか父上は、ガダルカナル戦の数少ない生き残りであり、復員してから亡くなられています。いま“愛国心”を強調する由井氏のこころに、米軍包囲下の不利な戦場を生き抜き、若くして亡くなった父親の影があるのは、当然でしょう。
衝撃的な話は、いくらでもこの本に詰まっています。インテリであった母上が、病気のために最初の嫁ぎ先を追い出され、由井氏の父となる男性と再婚した経緯。かなりの教養がありながら、片田舎に埋もれるしかなかった母親の無念を思うこと、さらに由井氏とその母との葛藤、その母がレイプされるのを目撃したこと、祖母や祖父の死にまつわる衝撃的な思い出、幼い由井氏が投げ込まれた苛烈な人生模様が語られます。
また、昨年のマスコミによるバッシングの実態にも言及されています。記者の“取材”の実態は、それを経験したことがある方なら「なるほど、同じだな」と思われるでしょうし、訴えを起こした人物が国外に去ってしまったことなども初めて明かされます。
しかし、由井氏はここで恨みつらみを書いているのではなく、こうした“トラブル”も今後への“試練”と考える前向きな精神が生きています。出る杭は打たれるが、それを避けていたら何もできない~。
もちろん、ホメオパシーも含めてのさまざまなテーマが取り上げられていて、読むものを飽きさせない内容になっています。同時発売の『ホメオパシー的信仰』(ホメオパシー出版)も面白いです。
定価1,260円(税込)
毒と私/由井寅子
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ホメオパシーってなぁに?/CHhom(カレッジ・オブ・ホリスティック・ホメオパシー)
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ホメオパシー的信仰 (由井寅子のホメオパシー的生き方シリーズ 7)/由井 寅子
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インナーチャイルドが叫んでる!(由井寅子のホメオパシー的生き方シリーズ 3)/由井 寅子
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