「ポケモン ブラック2/ホワイト2」が発表されてしまいましたが、

我が家では、「ポケモン+ノブナガの野望」が、
にわかに盛り上がっています。

昨日の夜、上の息子(小1、ポケモン好き)と風呂に入っていたとき、
息子がこんなことを言いました。

「おれさあ、「ポケモン+ノブナガの野望」、早く遊びたくて
しょうがない
んだよね。
発売日に学校が終わったら買いに行きたいな」

発売日に買う……なんて、いままで言ったことなかったから、これは
本格的にゲームマニアへの道を歩み始めている予感……。
(まあ、親がゲーム好きだから、しょうがないなと思いつつ、
という話は置いておいて)

でも、「ブラック/ホワイト」とかよりも?
ふつうの、いつもの「ポケモン」よりも遊びたいの?

「うん。めっちゃ遊びたい! だって、
「ポケモン+ノブナガ」は武将も進化するんだよ!」

なるほど。たしかにふつうの「ポケモン」は、主人公とか人の方は、
進化しないよなあ。

「あと、(主人公たちの)格好も、カッコいいんだよ!」

たしかに、サトシとかジーパンにふつうの服だなあ。
そうか、今の子はジーパンはかっこ良くないのか……。
ま、武将たちは、その比じゃない、カッコいい甲冑とか
着けてるもんなあ。

「あと、レックウザとかミュウツーとかも出てくるし!」

おお、そうだよな。過去シリーズのポケモンたちも、ゼクロムやレシラムも、
通常のポケモンとは違う、異世界だからこそ、いっしょに出て来てくれる!!

そう言われると、たしかに、すんごい魅力的じゃん!!



とか考えていると……

「ねえ、パパ、ノブナガって強いよねえ?」

そりゃあ強いよ、ノブナガはいちばん手強いボスなんじゃない?
本物の信長も、戦国時代に日本を統一する直前まで行ったすごい武将なんだよ。

「シンゲンは強い?」

武田信玄は無敵の騎馬軍団がいたくらいだから、強いと思うよ。

「じゃあ、ミツヒデは?」

明智光秀は、信長の家来だったのに、信長を裏切って、信長をやっつけちゃった人
なんだよ。だから、ミツヒデも強いかもなあ。ずるくて強いのかもよ~。

「モトチカは?」

元親も出てくるんだ。たぶん、強いと思うよ~。四国を統一したんだから。

「ケンシンは?」

謙信もそりゃ強いよ~。シンゲンのライバルだからな~。

戦国時代の有名は武将はみんなそれぞれ強いんだよ。
だから、「ポケモン+ノブナガ」に出てくる武将は
そりゃあ、みんな強いと思うよ~。

……なんて話を延々としてました。



っていうか、理由はどうあれ、小1で、ノブナガとかシンゲンとかミツヒデとか
マサチカとかオイチとかアヤゴゼンとか……。
そういう言葉でオヤジと会話してるっていうことが、すでにスゴくないですか?
(どんだけ「ポケモン+ノブナガ」の情報をチェックしてるんだよ、と思ったら、
「ポケモンサンデー」でやってた、とのこと! 「ポケモンファン」などの雑誌も
チェックしてるようですが……)

自分自身は学生時代、歴史は暗記科目だと思っていたので、
まったく好きになれなかったんですが、ポケモンみたいな、
子供にとって絶対的なものが歴史と結びつくっていうことの意味を、
おれは、息子といっしょに風呂に入るまで、まったくわかってなかった、
まるで気づかなかった、と思いました。

もし、そういうことをポケモンさんが想定しているんだとしたら、
いや、想定しているとしたら、むしろポケモンがそれを想定していることにこそ、
重大な意味があるのかもしれない。

だって、単純に「信長の野望」ファンが取り込めるっていうことには、
ぶっちゃけ、ポケモン側からは、魅力を感じる理由がないですからねえ。

だから、なんでなんだろう? ってずっと気になっていたんです。
このコラボの意味は一体なんだろう? と。


歴史、それは日本の国そのものへの興味であり、いまの社会へ至る原因を知ることであり、
社会をよりよくしていくことの基礎、第一歩である、と思います。

そういうことへの第一歩を「ポケモン」は踏み出したのかもしれない。

それは、ゲームがおもしろいとかおもしろくない、とかっていう
ゲーム内における相対的な価値観ではなく、
むしろ、絶対的に”よい”という価値を持つこと、
ゲーム外においての絶対的な価値を模索し、それを持つ作品を目指す、
ということへの第一歩なのかもしれない。

そんなふうに、ふと思いました。

そういう意味で、「ポケモン+ノブナガ」は、
とてもおそろしく野心的な作品なんじゃないか、と思うのです。
その野心の高さは、もしかしたら、信長以上かもしれない。


もともと「ポケモン」は、男の子の夢を、冒険心を、リアルに満たすという
ことを指向していたと思います。
そのために、わざわざカセットをふたつ用意して、違うカセットを持った人と、
わざわざ通信をしないとポケモンを集め切ることができない、という
画期的な仕組みを持ったソフトだった。

それまで画面上のファンタジーでしかなかった冒険を、
本物のリアルな冒険に置き換えることに成功した、初の作品だった。

それは、子供、男の子を中心に、見事に浸透していった。

それを踏まえて、もしかしたら、「ポケモン+ノブナガ」は、
「ポケモン」そのものを違うステージに押し上げるべく、考えられたもの
なのではないか、と思う。

それは、ゲームの楽しさ、を超えて、遊ぶものによりよい意味や
価値を与える、
リアルという点において絶対的な価値を持つ、というものを
目指しているのかもしれない。

と、ふと思ったのでした。


「ポケモン+ノブナガの野望」というゲームソフトが、
息子の目に、そこまで魅力的に映るとは夢に思いませんでしたが、
自分も、がぜん遊びたくなってきました!!

よし、発売日に買うぞー!!
(息子に負けられないので!)