先ほど、VOYAGE GROUPの2014年9月期の
通期決算の説明会を行ってきました。

期首に立てていた社内目標をも大きく上回り、
売上も営利も過去最高
での着地となり、
売上で150億円
営業利益で18.8億円
当期純利益11.1億円
となりました。増収増益に伴い、
営業利益率も5.4%から12.5%
へと大幅に向上しました。










セグメント別にみると、成長市場で勝負している
アドテクノロジー事業だけではなく、メディア事業や
その他のセグメント全てで大きく成長しており、
なぜ全セグメントで成長できたのか、という質問を
社外からだけではなく社内からも(!)よく受けます。


当社の事業としては、メディア事業もアドテクノロジー事業も
「ネット広告」を取り扱う事業となるため、広告主の動向には
大きな影響を受けやすいのですが、
特に2014年9月期の上期においては、アベノミクスによる
景気浮揚による広告主の広告出稿意欲の拡大したことや、
4月からの消費税増税前の広告主の駆け込み需要といった
特需要因により例年以上に上期の業績が良かった、
というのは大前提としてあります。


そのうえで、アドテクノロジー市場やスマートフォン広告市場といった
ネット全体の中でも新しい分野に
いち早く取り組み
、そこでの
地歩を固めることが出来たのは大きな要因だったと思います。


ただこれは裏を返すと、2009年から始まったソーシャル
ゲーム市場の盛り上がりの中で、当社もいち早くソーシャル
ゲーム事業への挑戦はしたもののうまく結果を出すことが
出来ず、早々に撤退を行ったこと。
「人の行く裏に道あり花の山」を信じ、
ソーシャルゲームの次の大きな波に向けての種まきを行って
きたことが2014年9月期に花開いたとも言えます。


業界全体がソーシャルゲーム業界に傾いている時は、
なかなか採用も進まず、事業としても成長が鈍化し、
かなり厳しい数年でした。
しかし、こういった苦しい状況の中で、それに耐え、
次の事業の種を植え、それを育ててこれたのは、
2009年に企業文化を強化/活性化させていくことを
ミッションとしたCCO(Chief Culture Officer)が中心となって
会社理念の見直し、浸透を進めてきたからだと思います。
結果として、変化に強く
逆境にも強い組織
へと
変わるきっかけにもなりました。


さらに2012年5月にサイバーエージェントからMBOしてから、
バックグラウンドが全く異なる金融出身のポラリスキャピタルの方と
一緒に中期経営計画を練り直す中で、雑多な事業の集合体として
「足し算型経営」から、
事業を戦略ユニット単位にくくり直し、KPIをシンプルにした
「掛け算型経営」へと
生まれ変わったことが、
不採算事業の撤退や組織体制の見直しに繋がり、
結果としてクルーの一人一人の力をよりダイレクトに
業績へ反映しやすくなってきたことも直接の要因として
あげることが出来ます。

定量的な業績面だけではなく、
組織力採用力、また経営力
いった定性的な面においても大きく成長した一年でした。



今期(2015年9月期)の業績予想ですが、
売上で176億円(前期150億円)、
営業利益で22億円(前期17.8億円)、
当期純利益13億円(前期11.1億円)

での増収増益での開示をおこないました。




2014年9月期は52%の増収でしたので、それと比較すると
売上成長が鈍化するのはなぜか、と思うかもしれません。

ひとつには、2014年9月期の業績には、上期において発生した特需が
含まれていること、また現状足元の景況感には不透明感が漂っており、
広告主の出稿意欲が前年度と比較すると若干落ちているというのが
外部要因として挙げられます。

次に内部要因として事業セグメントごとに見てみると
アドテクノロジー事業は引き続き、RTBを含むデジタル
広告在庫のオンライン上での自動取引の拡大に伴って、
アドテクノロジー市場の成長率と同程度に順調に
成長していくことは可能だろうと考えています。

一方でメディア事業は、既存のポイントメディア事業は
踊り場を迎えつつあるため、より高い成長性が見込める
ポイントソリューション事業や新メディアへの取り組みを
強化することで、守りと攻めを両方同時に行うフェーズに
入りつつあります。
そのため、メディア事業としては一時的に成長は鈍化するものの、
通期でみるとインターネット広告市場全体の成長率程度での
成長は可能だろうと考えています。

結果として、トータルでみると全社としては上記程度の
成長になるのではと考えています。



このように既存事業の成長や新しい領域への事業開発を
継続的に行っていくためには、先行投資的な意味合いで
人材採用を今後も積極的に行っていくことが必要となります。
SoulやCreedといった当社の経営理念に共感しているのは
もちろんのこと、能力やスキルが高く、人間的にも
尊敬される人となるとなかなかハードルが高くなって
しまうのですが、それでもここにはこだわりを持って、
全力で採用を行い、40-60名ほど採用
していく予定です。
結果として、今期においては販管費が先行投資的意味合いで
増えるため営業利益率の向上には繋がりませんが、
この先行投資が継続的に、そして安定的に
成長し続けていくためには必要
だと考えています。


一方で課題もまだまだたくさんあります。
スマートフォンについては、アドテクノロジー事業においては、
比較的スムーズに対応してはいるものの、
ネイティブアプリへの対応はちょっと遅れており、
ここは成長を取り逃がしていますし、メディア事業では
スマホメディアへの対応が遅れているのが現状です。
ここは市場成長といった大きなチャンスでもあるので、
こういった新しい変化への対応をクイックに行って
いくことが必要だと思っています。

また、メディアにおける広告収益がRTBなどの
プログラマティックセリングが主流になっていく中で、
手売りによる純広告が売れにくくなり、より効果指標も
CPAベースになりつつあります。
アドテクノロジー事業は、こういったトレンドがイコール、
チャンスになる訳ですが、一方でメディア事業では、
メディア力をうまく広告価値に変えていく広告商品づくりや
チャネルの見直し、プライシングなどマーケティングに
おける4Pを見直すタイミングにも入りつつあります。

ただこういった課題はチャンスの裏返し
でもあるので、課題を次の成長機会だと捉えて、
より組織を強くさせつつ、高い成長を志向していきたいと思います。

最後に、2015年9月期についての総括ですが、
毎年の継続的な成長を前提として、2015年9月期は、
若干の景況感の不透明感はありつつも、主力事業である
アドテクノロジー事業やメディア事業での事業開発を行いつつ、
もちろんその他の領域での事業開発も進めつつ、
一方で将来への先行投資として人材採用を積極的に行い、
売上で176億円(前期150億円)、
営業利益で22億円(前期18.8億円)、
当期純利益13億円(前期11.1億円)

での増収増益を目指していきます。


もちろんこの数値に満足するものではありません。
当社にとって、創業時の想いである
「360°スゴイ」
比べたら、まだまだくらい。
360°まではまだまだ道のりは長いです(^_^;)

今期もクルーの仲間達と一緒に走り抜けていきたいと思います!