人は誰しも人生において何回か大きなリスクを伴う

大きな意思決定を行うものだと思う。

今回、自分の人生において過去最大の大きな意思決定を行いました。






2010年10月のCA8でサイバーエージェント社の取締役を

退任してからは、改めて元々創業したVOYAGE GROUPの経営への

コミットを深めてきましたが、先ほど、リリースを出したように、

ポラリスキャピタルグループ様の支援を受けてMBOを行い、

数年以内の上場を目指して更なる事業成長を進めていくことに

なりました。







正直、サイバーエージェントグループの中において、上場企業の

子会社としてはありえないくらい自由に経営をやることが出来て

いました。

サイバーエージェントグループの中にいたからこそ、

VOYAGE GROUPとしてもMyIDからECナビへの方針転換や、

事業開発会社としての方針転換など中長期的な目線で経営を

行うことが出来たと思います。






また僕自身としても2005年から2010年までの

サイバーエージェント本体の取締役として、当初は新規事業や

既存事業の立て直し、そして中盤からは技術部門担当役員として

藤田さんという素晴らしい経営者の間近で本当に

チャレンジングで面白い仕事に携わることが出来ました。






経営者として、これ以上ないほど恵まれた環境だったと思います。

このような機会を頂いた藤田さんには本当に感謝しています。






その一方で悩ましい問題もありました。

ひとつはVOYAGE GROUPは、元々独立資本で立ち上げ、IPOを

前提としてVCから資金調達も行ってきたため、そういった

株主への約束を守るためにはどうしてもエグジットの道を

つくる必要がありました。

また、CAグループの中において最近のアメーバやソーシャル

ゲーム関連での事業成長にはまったく貢献できておらず、

かつ今後も中長期的な事業成長のためにまだまだ海外展開や

スマートフォン関連事業への投資が続く中で、

連結子会社としての業績での貢献が短期的には難しいというのも

悩ましい点でした。







このような状況の中で、いろいろなご縁があり、ポラリス

キャピタルグループ様の支援を受けて、CAグループの連結から

外れ、数年以内でのIPOを目指していくことになりました。






ポラリスキャピタルグループ様は、数少ない国内系プライベート

エクイティとして豊富な実績を持っているだけではなく、

ネットビジネスへの理解も深く、スピード感を持って我々と

一緒に事業を創っていこう、という価値観が共有できたのが

最終的な決め手になりました。







今回の選択に迷いがなかったか、と言ったら嘘になります。

実際、かなり迷いました。

これは単に僕のエゴじゃないかとか、本当にこれが会社の

ためなんだろうかとか、本当にこの数値目標にコミット

できるんだろうか、とか。。。

そんな時には昨年末に京都で開催した学生イベントで

僕が学生に話した言葉がブーメランのように自分に返ってきました。

「迷ったらより苦しいミチを選べ」と。






苦しいミチを選択することは一見すると間違った選択の

ように思えるかもしれないけれど、今までの人生を

振り返ってみると苦しいミチにこそ、

自分自身の成長機会があったし、それが次に繋がってきた。






今回の意思決定は、短期的には今までした中で最も

苦しい選択になるのは間違いありません。

それでもその先には創業時の想い「360°スゴイ」を

実現するミチがある。

大変なのは当たり前。

でもこの意思決定を一緒にやり抜く仲間がいる。

仲間と共にこの意思決定を正解にすべく、

全力でやり抜いていきたいと思う。