シリコンバレーに単身(?)で向かって現地で世界を相手にする事業を


立ち上げようとした、はてなの近藤さんが開発拠点を日本に戻し


自分自身も日本に戻ってくる、というニュースが出ていた。





僕自身もそうだったけれど、近藤さんの動きに触発されたネット系の


経営者の人って多かったと思う。


いつか、ネットビジネスの本場、シリコンバレーで勝負してやる!って。


実はECナビでもちょうどそれと同じくらいの頃に真剣に


シリコンバレーに進出することは考えていました。





でも結論から言うと僕らはシリコンバレーには進出せずに、


中国への進出としました。





それはなぜかと言うと、単順にビジネスでの成功の可能性が


高いのが中国だと思ったから。


以下、その主な理由です。


・中国のインターネット市場の成長性(米国よりも高い)。

・日本よりもネット市場の立ち上がりが遅れており、日本でうまくいったモデルを試しやすい。

・日本からの地理的な近さ。

・同じ2バイト系言語としての扱いやすさ。





憧れとしてのシリコンバレーは考えていても、その時点でそこで


成功するためにどうすればいいのか(何をやるかから、事業スキーム、


資本スキーム、人材集め、組織づくり等)が全くイメージできず、


そんな状況で行ってもうまくいかないだろうなぁと。






それに元々自分達がやってきたビジネスはメディアビジネスであり、


メディアビジネスとは新聞や雑誌を思い浮かべてみれば判るように、


ローカルビジネスであり、世界展開しづらいビジネス。


つまりメディアビジネスで世界に進出するには、現地企業との


アライアンスを行いながら、現地化を徹底的に推し進めないと


成功しない。





そんなことをつらつらと考えているなかで、既に上海で起業していた


片岡さん(現ECナビチャイナCEO)と再会し、意気投合して


一昨年にECナビチャイナを立ち上げました。





ECナビチャイナでは、当初から中国側に主導権を渡して、


日本からはサポートに徹して、中国のメンバーだけで立ち上げる


ようにしました。


その結果、非常に現地のニーズを踏まえたうえで機動力良く


ビジネスを展開できるようになりました。





例えば当初は日本と同様に価格比較サイトを立ち上げようと考え、


サービスイン直前まで進めたものの、EC市場の立ち上がりの


遅さから急遽モデルを変えて、現地から提案のあった旅行業界に


ジャンルを絞って中国で成功しそうなモデルを一緒に考えて


高級ホテルの宿泊予約サイト「慢慢走」 に事業を変更できたのも


その一例だと思います。






まだまだ成功とは全然いえないレベルですが


既にECナビチャイナは現地スタッフだけで15名ぐらい。


売上も順調に発ち始めてきました。






今週は明日から上海に出張に行って、現状の事業の状況確認と


更に新しい事業の可能性を見つけてきたいと思います。







■今日の名言


「経験したことのない非常事態に臨んで、


心の平静が保てるかどうかで、その人間の本当の力が試される」


(米批評家:ジェームズ・ローウェル)