「風が強く吹いている」 |  うさぎおやじ日記

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 FC町田ゼルビアのことなど、気の向くままに

きのうの風、すごかったですね~。

幸い仕事場では雨風が強くなる前に外に置いてあった荷物をかたずけることができたので、それほどの被害はなかったんですが。

帰宅するときに最寄りのバス停が倒れていたな。立ててくれば良かったかな?


いえいえ私が書こうとしていたのはそんなことではないんです。

このブログ記事のタイトルは、最近読んだ本の書名なんですね。


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舞台は今にも倒壊してしまいそうなボロアパート。そこに住む10人の学生たちが、箱根駅伝出場を目指すというお話です。

10人の内、陸上競技経験者は主人公を含めわずかに3人。しかもそのひとりは浪人と留年を繰り返してきたヘビースモーカーの25歳。

その他の連中は部屋の床が抜けそうなほどのコレクションを持つマンガオタク、司法試験に合格するレベルの頭はあるがスポーツに無縁の男、女の子にもてそうだという動機で参加を決意する双子の兄弟、アフリカ出身というだけで足が速そうに思われるが実はそうでもない留学生。などなど、とても期待などできそうもないメンツばかり。


そんなおかしな連中が、怪我で一度は競技から退いたという過去のある主人公、清瀬にときに厳しく叱咤され、ときにおだてられ、他の大学には馬鹿にされながらも次第に記録を伸ばし、ついには予選を突破して正月の箱根路に立つ。


ありえない?そう思われますか。

事実、解説によるとこの本が出版された当初、「まるでファンタジーだ」という批判めいた感想も寄せられたらしい。

確かに、ほとんどが素人の寄せ集めで箱根駅伝出場など夢のような話で、「ファンタジー」か著者も大好きであるという「マンガ」の題材としてよりふさわしいのかもしれない。

でもそんな物語が、妙にリアリティーを持って表現されているんですね。それは著者の地道な取材によるところも大きいのかもしれません。



ちなみに私はこの本を読みながら、あるサッカークラブのことを思い浮かべたりしていました。

著者、三浦しをんの代表作である「まほろ駅前多田便利軒」その舞台のモデルとなった町のサッカークラブのことをです。

ほんの数年前まで選手たちは、アルバイトなどをしながら土のグラウンドで練習をしていたそうです。そんな彼らが「Jリーグを目指している」、と言った時、ほとんどの人はそれを夢物語だと感じたことでしょう。



興味を持たれた方はぜひご一読ください。きっとこころを打つものがあるはずですよ。


2012.04.04