R+ (レビュープラス)様から献本いただきました。感謝申し上げます。


本書は大前研一通信の特別保存版PartIXとして刊行されたものや、
大前研一氏の様々な場での発言をまとめたものです。
80~90年代のものも含まれてますが、なんというか、現代的で先進的です。


同氏の書籍はこれまでも読んできましたが、一貫して主張しているのは
知識詰め込み型の教育では、答えのない問題が多く出てくる
現代社会で生き抜く人材を育てることが難しい。
だから、自分の頭で考えることの出来る人を育てることが重要ということ。


本書ではさらにイーロン・マスクなどの
シリコンバレーで実際に活躍している実業家などを例に挙げ、
古い常識や価値観を覆す人物を育てることの必要性も指摘されています。
後半では国際バカロレアに焦点が当てられ、
インタビューを通して全人格教育の重要性について述べられています。


世の中はものすごいスピードで変化してて、
でも人間はその変化に対応できていないのだなぁと昨今よく思います。
日本に限ったことではないですし、そもそも対応しようとしてできるものなのか、
という問題もありますが。
変化に対応しようとするがゆえに後手に回っているか、
さらなる問題を生み出しているとか、
巷を騒がせているあれやこれやには、
従来の型通りな考えが通用していないのはいろいろなところで自明なのに、
それにこだわったがためにさらに騒ぎが大きくなる、みたいな。
新しいものに対応できる人とできない人が入り混じって、
混乱しているのが現代社会なのでしょうね。


そこから変化に対応できる人よりも変化を生み出せる人を育てるにはどうしたらよいか。
大前氏同様の問題意識がもっと普及して、それを実行できる人がいれば、
また日本の教育は変わっていくのだとは思いますが、
そこまでの道のりはまだまだ遠いような気がします。
本書がその助けとなるように願っています。