パンツネタで引っ張ってしまったが、今日はちと真面目な話題でいこうか。


この1年ほど、車で20分のところにあるコープで

週末の食材の買出しをしている。



車で10分のところに巨大スーパーがあるのだが、

去年からコープをメインに買い物することにした。



さて、コープには2つ入り口があるのだが、私たちが利用する入り口の

自転車置き場に、肌の色の黒いアフリカ人らしき男性が独り、物乞いをしている。



でも見た感じ、自転車置き場の横に寄りかかるように座っていて

私たちが通ると、 「チャオ」 というだけ。


ジプシーのように、「お金ください。」

というわけじゃないし、ホームレスのように地面に座って

愛犬と一緒にうずくまるようにしているわけでもない。



毎週土曜日に行くと、その男性がいる。


夏の間、1ヶ月くらいいないことがあったので、

私とオットは、「多分観光客の多い、海とかに行ったんじゃないか?」

なんて噂していた。




私は基本的に物乞いに小銭をあげるのは好きではない。

寄付とかは場合によっては、喜んでするのだが

物乞いによっては、これが彼らの職業なんじゃないかと思うくらい

それだけして生活しているような人たちもいるわけで

イタリアで税金を納める労働者としては、どうも納得がいかない。





2週間前の土曜日のことだ。


この日の朝も、いつものようにコープに出かけた。

この日はシベリアから大寒波が来て何日目という、

朝9時の段階でマイナス8度という寒い日だった。



買い物を終えて車に食材を乗せていると、ニューフェイスの物乞いがやって来た。


アフリカ人、 男性、

年は30歳前後・・・・


近くに寄ってきて、「チャオ」 というだけ。


でも物乞いだというのはすぐにわかった。


私が返事をしなかったのを見て、彼はあきらめたのであろう、

他の客に近ついていった。


駐車場を見回すと、彼のほかにも3人くらいウロウロしている。


そして 「いつもの」 物乞い男性は定置におさまり

いつも通りの体制である。




車に乗ってから、


「なーーーんだか、この駐車場、物乞いだらけになったね。」

と私が言った。



1人ならともかく、4人も物乞いがいたら

なんとなくガラの悪い雰囲気である。



それを聞いたオットが、

「でもさ、この大不況に、この寒さだよ。

日雇いで働きたくても、仕事がないのかもしれないし、

もしかしたら彼らの住んでいるところは暖房もないのかもしれないよ。」


とポツリとこぼした。





そして先週の土曜日、またいつもどおりコープに行く。


買い物を終えたあと、車に荷物をのせていると、

また物乞いの男性が近寄ってきた。



私は彼を見ずにカートを置き場に押していった。


そんな私を見て、彼は他の客に向かって行ったのだが、

なんだかその様子を見て、かわいそうになった。




車に乗って財布を開ける。


1ユーロ、2ユーロの小銭がジャラジャラ入っている。


1ユーロ取り出してから車を降り、さっきの男性のところに向かった。


私が近ついて行くと、ちょっと驚いたようだった。


「これでね、コーヒー飲んでね。」


と1ユーロ渡した。



すると、その男性、

「Grazie, Auguri!」

=「ありがとう、いいことがありますように!」


と言って、本当にうれしそうな顔をした。





たった1ユーロなのに・・・・・・



1ユーロで何が買えるっていうんだろう・・・・・



1ユーロで 「人助け」 をしたはずなのに、

とても居心地が悪くなってしまった。



5ユーロあげれば、その後気持ちがよかっただろうか?


なんとも不思議な気分である。