「勝ち組」メッキが剥げ落ちた日本マクドナルド
日本マクドナルドが7月24日~30日の午前8時から9時までの間、コーヒーの無料キャンペーンに打って出たことが憶測を呼んでいる。
出勤前に店に入ったビジネスマンが無料のコーヒーだけを啜るわけがなく、野菜サラダやハンバーガーなどを注文する。タスポ効果でコンビニの売上高が延びたように、マックが「ついで買い」を狙ったのは明らかだ。
まだマックは“撒き餌”効果がどれだけあったかを公表していないが、業界筋は「ターミナルなどの駅前店舗を中心にソコソコの効果があったようだ」と評価しながら、返す刀で「そんな手段に訴えなければビジネスマンなどの上客が寄り付かなくなったのではないか」と斬って捨てる。
奇しくも同社が7月10日に発表した6月の販売実績は新店を含む全店売上高が前年同月比2・9%減となり、実に3年5ヵ月ぶりで前年実績を下回った。既存店ベースに至っては4・4%減で、こちらは1年2ヵ月ぶりのマイナスである。外食不況の中、過去最高の売り上げ記録を更新するなど「勝ち組」企業の代名詞的存在だったマックが、皮肉にも一足早い秋風に晒された恰好だった。そこへコーヒー無料の撒き餌作戦とくれば、口さがない向きには「マック転落の序章」としか映らない。
昨年暮、同社は大阪のイベントで「サクラ」を動員して延々と長蛇の列を作らせ、これをテレビが放送した(させた? )ことで世間の注目を集めた。その奇手を今度はコーヒー無料で発揮したと理解すれば離しは早い。もともと同社の宣伝力には定評があるだけに、この分だと業績とは別に話題つくりと集客効果の一石二鳥を狙った新たな仕掛けがありそうだ。
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