疑惑の種は、信頼の種より育ちやすい!?
「ダウト~あるカトリック学校で~」(3/7より、シャンテシネほか、公開中)
子供たちや信者から人気のあるフリン神父。
その人気や進歩的な考えに、「何か怪しい」と疑惑を持ってしまった昔ながらの厳格な校長シスター・アロイシスが、神父を執拗に追いつめる。
そのきっかけは、若いシスター(エイミー・アダムス)が、目撃した神父が黒人少年を気遣ったある出来事ー。
往年の映画ファンは、オードリ・ヘップバーンとシャーリー・マックレーンが共演した「噂の二人」を思い出すのでは・・・。
さてこの「ダウト」だが、余りに演技が上手すぎてメリル・ストリープが嫌いなムキが多いが、今回もその磨きは増してコワいくらいに気難しい頑固で融通のきかない女校長を演じている。
これもみごとにアカデミー主演女優賞にノミネート(15回目ですぞ)。
ケイト・ブランシェットに持っていかれたが、ストリープの演技は、舌を巻く上手さだ。
もちろん、うけて立つ神父のフィリップ・シーモアの押さえた演技ががっちり対等していたからこそ、彼女も引き立ったわけだが。
そんな最高の俳優たちの中で、初々しく輝いていたエイミー・アダムスの可憐な姿も注目。
「わたしが美しくなった100の秘密」(99)「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」(02)、ディズニーの大ヒット「魔法にかけられて」(07)などで、可愛いイメージを発揮していたが、今作では、自分の言葉の重さに悩む女性を清楚に演じている。
エイミーの次回作は再び、大姉御ストリープと共演する「ジュリー&ジュリア」。
期待出来そうだ!
(監督:脚本:原案:ジョン・パトリック・シャンリィ)