「かんぽの宿」70施設。オリックスへの売却疑惑が噴出!検証せよ! | 日刊 鼠小僧

「かんぽの宿」70施設。オリックスへの売却疑惑が噴出!検証せよ!

 日本郵政の「かんぽの宿」のオリックスへの一括売却をめぐって数々の疑惑が浮上している。


 鳩山邦夫総務相がカミついたのは当然だろう。もしも、鳩山氏が異議を唱えなければ売却劇はうやむやになっているところだった。
 数々の疑惑が言われている。売却時期、なぜ、この不況時に民営化旗振り役の特定企業にあせって売ったのか。しかも全国に散らばっている一級施設を一括でだ。入札経過はどうだったのか。その内訳は?


 オリックスのトップの宮内義彦会長(最高経営責任者=CEO)は、こともあろうに政府関連の「規制改革会議」の議長を務めてた御仁である。鳩山総務相が、宮内会長と郵政民営化の関係を問題視するのは当たり前で、その企業が落札し1人占めするのは「法的な問題ではなく倫理や道徳の問題だ」と怒るのも当然だろう。


 疑惑は膨らんでいる。これは大企業と政府に取り入っている企業トップが演じた取引きとして大きな問題だろう。鳩山氏がクレームをつけるまで大マスコミが全く知らなかったのだろうか。こちらも疑問だ。事件性をおびている。


 「かんぽの宿」はかって郵便局が運営していた保養施設だ。その郷は全国に70施設がある。ほとんどの宿は観光地の近くに立地している。売却となれば多くの企業が触手を伸ばすはずだ。27社が応札、2度の入札の後、109億円で一括、オリックスがせしめたことになっている。入札提示額は最高だったからだという。表向きは問題ないかに見える。


「疑惑がいっぱいといっていいでしょう。日本郵政社長は元住友銀行出身の西川善文氏、同じ金融・財界組みが暗黙の了解でやったのではという疑問すらでてくる。70施設一括売却とはなんですか。『入札に応じた企業一覧』を公表すべきでしょう。さまざまな噂話がながれています。取引きの怪文書も囁かれているくらいです。きな臭いんです。大臣が疑惑を持ち出した以上、いきさつを含めて天下にその全貌を明らかにすべきでしょう。誰がみてもオリックスのこんな甘い商売はないですよ。全国の観光地の保養施設を一挙に手中にするんですから」(経済誌記者)


 すでに週刊誌は「オリックス疑惑」として、宮内代表、日本郵政の西川社長の周辺を追っている。ひょっとすれば大スキャンダルに発展しないとも限らない。不気味な事項を含んでいる。
 昨年4月に「かんぽの宿」の譲渡先を公募している。同12月26日が譲渡契約の締切日。今年21年の4月1日が会社分割と株式譲渡の実行日となっている。


「応札企業27社のなかにはデキレースではなかったのかと不満をぶちまけるむきもあるそうです。企業名は公開すべきでしょう。それと問題なのは、なぜ、あせって売るのかということです。とくに宮内さんが郵政民営化に強い執念を持っていたということは、この事態を読んでいたからといわれても仕方ないでしょう。このまま決着ということになれば暴動だって起こりかねない雰囲気ですよ。民主党はじめ野党にはそこまで見えんでしょうが、大きな問題点を含んでいます」(マスコミ関係者)


 オリックスへの譲渡には日本郵政の会社分割が必要だという。そのためには総務相の認可がいる。もしも、鳩山邦夫総務相がNo!といえば売却契約は白紙に戻ることもある。疑惑を含んだ取引きは元にもどしてゼロからやり直すべきだろう。
 郵政側は「かんぽの宿は年間40億円の赤字でもて持てば持つほど負担が膨らむ」という。だが、ナゼに急ぎオリックスなのか、だれもが疑問を抱いている事からスッキリすべきだろう。


 いや疑問から疑惑へ。簡単には落着とはいきそうにない。