民主党代表選の対抗馬つぶし。 | 日刊 鼠小僧

民主党代表選の対抗馬つぶし。

 9月21日投開票の民主党の代表選は「勝負あった」といっていい。


 党内の大勢は小沢一郎支持で、代表選が行なわれたとしても「対抗馬は間違いなくボロ負け」(党中堅議員)だという。現状では限りなく「無風選挙」の様相だ。


 ひと頃は非小沢派の若手・中堅を中心に本選挙を目指し対抗馬擁立の動きがあった。岡田克也、前原誠司の両副代表への〝待望論〟もあったが、いまは全く消えた。あるのは沈黙のみ。仙谷由人元政調会長も一時、前向きだったが、20人の推薦人を集められそうになく音無の構え。
 残る有力候補はというと〝凌雲会〟のメンバー、枝野幸男元政調会長と〝花斉会〟の野田佳彦広報委員長の2人だが、共に推薦人集めに苦労するありさまだ。両グループとも約30人ほどの国会議員が所属するが、推薦人を集めるとなると厄介な問題が生じてくるのだという。

 それは何か。「小沢派の対抗馬つぶし」だという。
「小沢氏のしっぺ返しを恐れてなかなか推薦人になりたがらない。前原氏が昨年の参院選での〝小沢マニフェスト〟の農家への戸別所得補償制度を〝バラマキだ〟と京都の会合で言ったとき、すかさず『退場を勧告する』と小沢派が〝前原叩き〟に出た。若手なんかその凄まじさに震え上がったものです。主戦派だった前原氏が出馬を見送ったのも小沢派の執拗なまでの圧力にネをあげたからだといわれています。衆院選の公認問題まで引き合いに出してくるから、若手・中堅が推薦人になろうとしても、いずれ冷や飯を食わされるのが解っているから、尻込みをする。そう仕向けているんです」(政治部記者)

 当初は「選挙やるべし」と主張していた渡部恒三最高顧問でさえ「無投票で小沢代表になるかもしれん」とトーンダウンした。いまでは反小沢派の動きはぴたりとやんだ。
 小沢代表流の「脅し」が効いている。
「民主党の議員2百数十人いるが、誰が、どういう行動をするか、全部、頭に入っている」と地方行脚でぶったりする。「俺は監視、目を光らせているぞ。俺にさからうな」と議員を脅しているようにもとれる。

 また、公認選びでも、こんな按配だ。
「(8月の)各地の世論調査次第では公認候補の交代、見直しもありうる」とクギを刺す。これでは代表選に向けた、まして反小沢候補の運動をしている場合ではなくなる。
 小沢アレルギーが強まるばかりだが、動きがとりにくいのが、現状だ。いつの間にか「党内政策論争」という熱い空気が冷めてしまった。
「民主党は代表選が近づくに連れて党内活力がなくなってきた」という声まで囁かれる始末だ。

 民主党の姿が問われようとしている。