※セントラル愛知交響楽団公式ブログからの転載記事です※

皆さん、こんにちは!
トロンボーンの戸高茂樹です。

 今回は皆さんに、トロンボーンという楽器のことについて、お話したいと思います。
ヴァイオリンやフルートなんかに比べて、イマイチ皆さんに、馴染みのない楽器かもしれませんが、しっかりとオーケストラで活躍しております!

そんな我々、トロンボーン奏者の、オーケストラでの重要な仕事は、
すばり、
休みの小節を数えることです!

!?

 オーケストラのコンサートに行かれた方は、あそこに座ってる人達はいつ演奏するんだろう?と思われた事がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そう、我々は、オーケストラでは、「休み」がとても多い楽器なのです。

12月に頻繁に演奏される、ベートーヴェンの「第九」なんかでは、あの有名な「歓喜の歌」の部分もお休みです。
盛り上がってくるオーケストラの演奏や、美しい合唱を聴きながら、今年ももう終わりか~、などと感慨深くなったりしてます。(オケの皆さんすみません...)

トロンボーンという楽器はもともと、教会でのミサなどの儀式で、合唱と一緒に演奏されていた楽器なのです。

モーツァルトやハイドンは、ミサ曲では積極的にトロンボーンを使っているのですが、交響曲では一切使いませんでした。

当時はトロンボーンには、神聖なもの、というイメージがあったようです。

そのため、トロンボーンは「神の楽器」などと呼ばれたりもします。
そう、我々は偉いんです!(違う)

その後、ベートーヴェンが歴史上初めて、交響曲でもトロンボーンを使ってくれて(ベートーヴェンさん、ありがとう!)、それ以降、交響曲や管弦楽曲の分野でも頻繁に使われるようになりました。

冒頭に、休みを数える事が仕事だ、などと言ってしまいましたが、本当のトロンボーンの得意技は、なんといっても、美しいハーモニーを奏でること!
トロンボーン3人のハーモニーを、ホールに響かせる時の快感は、何度演奏しても、病みつきになります。

特に、ブラームスが書いた4つの交響曲には、どの曲にも、トロンボーンのハーモニーが印象的なフレーズがあり、演奏していると、トロンボーンやってて良かった!と思わせてくれます。

こんなトロンボーンセクションの活躍を聴きに、ぜひ、セントラル愛知交響楽団のコンサートにお越しください!(あ、トロンボーンの出番の無いコンサートもありますので、お気をつけて!)

トロンボーン 戸高茂樹