【これまでのあらすじ】
ケータイ販促を導入して半年。
クレームやトラブルが急増した高木のお店には、何が起こっているのでしょうか?
【本編】
これらのクレームやトラブルが増えていくにつれ、メールの反応率が急激に落ち込んでいるのだ。
1,000件全てに一斉配信しても戻りは7、8件しかない時もある。
送信するメール特典は「1,000円割引」や「3品サービス」など、インパクトは十分なのに…。
同時に、アドレス件数も増えなくなった。
むしろ1,000件から徐々に減っている。
なぜなのか?
クレームやトラブルと関係があるのだろうか?
考えて思い浮かんだのは、ケータイ販促を導入して成功した鈴木のことだった。
最近、連絡を取っていないが、ヤツの店は大丈夫なのか?
電話してもつながらなかったので、「明日の昼過ぎに店に行く」と、留守電に入れておいた。
翌日。
鈴木の店である駅前の居酒屋「忘却(ぼうきゃく)の宴(うたげ)」に着いたのは昼過ぎだった。
店の前の貼り紙を見て驚いた。
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「当店は、今月末を持って閉店いたします。
1年間という短い間でしたが、ご愛顧いただきまして誠にありがとうございました。」
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高木「えっ…」
どうしたのだ?
ケータイ販促を導入して大成功したはずじゃなかったのか?
すぐに鈴木の携帯に電話をした。
鈴木「ちょうど良かった。今、店の控え室にいますので、すぐに開けます。」
鈴木が、表のドアを開けるなり聞いた。
高木「おい!どうしたんだよ?店、閉めちゃうのか?」
鈴木「そうなんです。ちょうど高木さんにお会いしたいと思っていたンです。」
こちらから聞く前に、鈴木は土下座した。
鈴木「本当に申し訳ありませんでした!高木さん。スグに『M-uchi(ミミウチ)』を解約してください。」
高木「えっ…?どうした?一体、何があった?」
土下座をされ、解約をする?ワケがわからない。
高木「おい、どうしたんだ?落ち着け、鈴木。」
と言って、鈴木を起こした。
顔を見ると鈴木は、涙ぐんでいる…。