ファイルNo,224 H様 K様 M様スプロケットハブその他加工報告
H様よりお預かりしたホンダ系のハブ加工です。
↑A面、B面、E面、Dカラーの加工は良くあるパターンですが、
問題は外径の異なるベアリングを使用するため
スペーサーカラーを製作しなくてはならない事です。
ベアリングサイズは外径56mmから50mmとなります。
Cはジュラルミンの丸棒を切断したもので
スペーサーカラーの素材となります。
↑内外径とも圧入となるこの手のスペーサー製作は難しいのです。
きっちり製作したつもりでも、スペーサーを先に
ハブに圧入すれば微妙に内径が縮まり
ベアリングの圧入に適さなくなり、
ベアリングを先にスペーサーに圧入すれば
スペーサー外径が微妙に拡大してハブに圧入できなくなるわけです。
何個もテストできれば公差の範囲内で丁度良い設定が見つかるはずですが・・・
今回のスペーサーカラーは、外径を旋盤で仕上げ、
内径はギリギリまで広げておき、
ハブに圧入してからフライス盤で仕上げる事にしました。
※ハブに使われる一般的なベアリング(深溝玉軸受)の外径を
マイクロメーターで測定すると100分台のマイナスとなります。
それを考慮しないと圧入になりません。
ロック剤を併用して圧入。
↑Aは元々ベアリングのストッパーとなる部分です。
このストッパーがスペーサーで隠れてしまうような
ベアリングの換装は行いません。
↑本来はベアリング圧入部の側壁に
位置出しピンを当てセンター出ししますが、
圧入したスペーサーの内側壁を測定すると
微妙に楕円になっていたので(つまりそのくらい動く)
ハブの外側壁を利用してセンター出し。
↑続いてB面の追い込み完了。
↑固定の方法を変えて更にA面、B面の加工完了。
↑各部面取り&バリ取り
↑ベアリング圧入問題無し。
カラーの加工も完了。
いや~ わかっちゃいましたが何だかんだ時間かかりました。
因みにこの手の加工を紹介するとエンジン内部やミッション系の
スペーサーカラーの製作をお願いされるケースがありますが、
残念ながらお断りしております。
続いてK様 カワサキ系のハブ加工です。
↑ベアリング圧入面からセンター出しして
座面の追い込み加工を施しました。
↑リブを残して置くとナットが引っかかるという事で
↑完了です。
続けてM様 ヤマハ系ハブとサポートの加工です。
↑続けてA B間のサポートの厚み変更。
これが何気にめんどいのです。
何故かと言えば元々厚みが均等ではなく、
個体差の激しいサポートだから・・・
↑半分ずつ加工した結果微妙な段差ができる様であれば
オイルストンで微調整します。
↑実は二セット分の加工でした。
と言う事でいつもの事ですが加工後の使用は自己責任となります。