「とんび」 重松 清
昭和37年の夏の日、瀬戸内海の小さな町の運送会社に勤める“ヤス”に息子アキラ誕生。
家族に恵まれ幸せの絶頂にいたが、それも長くは続かず……。
高度経済成長に活気づく時代と町を舞台に描く、父と子の感涙の物語。
不器用な親と子の物語。
さまざまな家族の形が登場する中で、家族とは何か語りかけてくれる一冊でした。
旅先に向かう電車の中で読んで涙をぽろぽろ流し、帰りの電車で読んで再び泣いて… これは、外で読んではいけない本でしたね。
泣ける本として名高いのは知っていたのですが、人前で泣くほどではないだろう、と思っていたら甘かった。
親が子を想う気持ちが熱くて、深くて。泣き所が多いです。
親と子って、考えてみればすごい繋がりだよなぁとしみじみ。
昭和が舞台だからか、どこか懐かしい、ノスタルジックな気持ちになりました。
いつか自分が親になった時にもまた読みたい。
大事に思うとる者同士が一緒におったら、それが家族なんじゃ、一緒におらんでも家族なんじゃ。
自分の命に替えても守っちゃる思うとる相手は、みんな、家族じゃ、それでよかろうが。 (P342)
★★★★★