観て参りました、唐ゼミ☆さんの『夜叉綺想』!異魂の公演で、三兄弟の末っ子・亜久里を演じてくれた熊野くん。そして、舞台美術の安達さん(ホントは役者です)をはじめ、あの装置を作ってくださった皆さまのいる劇団です。

テントです。劇場ではないです。ということはつまり、空調なんかあるわけがない。幕に覆われた屋外。脱水症状で倒れる人がいてもおかしくないんじゃないか。そんな覚悟で浅草へ。
気候のせいだけではないのですよ。芝居自体に、ものすごい熱量がある。そこがいい。この熱量、最近なかなかお目にかかりません。

テントの梁に、逆さまに吊るされた扇風機。こんなんで賄えるのか?と思いきや、意外と効果あり(扇風機の下は)。
五十分ずつの三幕もの。前回の『吸血姫』に続く、超大作です。前説で告げられた途端、客席がざわめきます。「飲み物、持ってないよ」という声。うなずく私。ペットボトルを取り出す人々。ぬかった…。

クマちゃんの真っ直ぐさ。椎野さんの美しさ。禿さんの色気。安達さんの胡散臭さ。西村くんの妄執っぷり。
書き出すとキリがないので、ここらへんで止めておきますが。役者陣、大好きなんです。バカがつくくらい、一途。バカって言い方はよくないか。病的なくらいに…って余計酷いですね。
そんな、普通じゃない面々をがっつり率いている主宰の中野さん。それから、唐さんの隠れた名作を探し出してくる嗅覚。もう、コワイです。

主役のクマちゃん。唐ゼミ☆では初主役。よくまあ、この台詞量をよどみなくしゃべれるなと。クセのある先輩たちと、真っ向から組み合っていました。終演後、そのまま舞台で倒れるんじゃないかとドキドキしてしまった。

とにかく、このカオス、たまりません。妖しいものには惹かれるし、毒は甘い。熱に浮かされている時に見る夢、彼岸体験(←これは違う)。
感想にもなっていないな…申し訳ない。一回でもいいから体験してほしいです。今週はあと2回(日祝)、来週の週末(金土日)。真夏の夜の悪夢、浅草でどうぞ!