■日本国憲法とポツダム宣言

長谷川三千代女史の講演「憲法改正と戦後レジームの克服」を聞いた。70年間一字一句改正されない世界最古の日本国憲法のネジレの原点はポツダム宣言にあり、そのポツダム宣言の解釈が講演の骨子であった。その前段で共産党の志位党首の鬼の首を取ったかのようなポツダム宣言の党首討論にふれた。ポツダム宣言の認識を認めろと言うのは、ほとんど強制自白に等しい。冤罪にうるさい共産党が冤罪を作り出すのかとあった。

 

ポツダム宣言は要約すれば、日本が悪で連合軍は善、降参しなければ皆殺しにする。ドイツを叩き終わったのでヨーロッパの全勢力を対日本に向ける。米国はポツダム宣言の前日に核実験を終えている。つまり、「無駄な抵抗は止めろ。おまえたちは完全に包囲されている」と言う訳である。脅迫と力の誇示、但し、天皇制は残すと言う部分がポイントである。

 

また、ポツダム宣言にはその後、日ソ不可侵条約を破ったソ連は参加していない。敗戦後、極東委員会で力を増したソ連が憲法に口を出してくるのを米国が嫌がり、急いで作ったのが真相とも。当然ながら、ソ連が加われば、国体護持もできなくなり、日本側も日米合作ウソ憲法に協力せざるを得なかったのかもしれない。

 

最後にどうして70年間憲法が改正されてこなかったのかと言う質問があり、長谷川女史は、私見として、あまりにも憲法の内容がひどいので誰も口にだせないのではないかと答えた。

 

唸声としては、暴論だが、日本人は憲法など必要としていないのかもしれないと考えている。憲法があるからどうだではなく、憲法がなくても枝葉末節は別としても、大筋は分かっていることであり、宗教を必要としなくても国民が正しく生きていけることと同じではなかろうか。そうは言っても、戦争の危機感がもっと高まれば、改正も問題なく進むであろう。危機感の欠如もしくは危機を感じていないことが我が国の自立を遅らせている。

 

その点では、中国には感謝しなくてはならない。中国の無謀な軍拡が戦後レジームのネジレを正してくれそうだ。

 

長谷川女史は70年首相談話にも触れた。談話の中に大道・仁など古き良き中国を持ち上げた上で、覇道はいけないとアジア発信型の談話にしたらどうかと問いかけていた。相手をくすぐりながら、こちらの主張を受け入れさせる。中韓共にあれだけ期待をしているのだから、その期待に応えないとならないが、韓国をどうやって持ち上げるのか?これは難しい問題である。