祈る

5月下旬、三陸のロケに出ていた。
岩手県の田野畑村、宮古市、大槌町、
大船渡市、陸前高田市、宮城県の気仙沼市、
南三陸町、石巻市と南下しながら、
次号の巻頭特集の仕込みをしていたのだ。
これだけ規模の大きな被災地で
ロケを組むのは初めてのことで、
それだけでも気持ちは動揺していたのだが、
マン島で松下ヨシナリさんが
お亡くなりになったのを知ったときには
呆然となった。
少しでも多くの方に被災地を訪ねてほしいと、
ロケの最中、被災地の現状を
ブログやフェイスブックに上げようと
思っていたのだけれど、
そんな気にはなれず。
バイクのイベントや、関係者の集まりなどで
よくお見かけした、
彼の向日葵のような笑顔が忘れられない。
最後にお会いしたのは、3月の大阪の、
モーターサイクルショーの会場だったっけ。
知り合いを事故でひとり亡くした。
それがこんなにしんどいのだ。
2年前、どれだけ大きな悲しみが被災地に
重く垂れ込めたかを想うと、
またしんどくなる。
そんなロケだった。
今日、ようやくブログをアップする気になれたのは、
こんなんじゃまずいと思えるようになったから。
自分にできることは何だ?
祈ることだ。
そして、やるべきことをやらなくちゃ。