自然に対して人は、大昔の人はどんな気持ちを抱いていたのかしら。
ノーテンキな馬鹿面さらした現代人はなにかとゆーと、
「あたし、自然大好きちょー自然ラブビバネイチャー」
そりゃそーよねぇ。
アンタ達は自分の都合のいい時だけ海なり山なりに行くだけだもの。
そして、自分の都合のいい自然だけを見たり感じたりして、ウットリしてるだけだもの。
でも、よく考えたら本当はそうぢゃないのが分かるはずよ。
台風も雷も大地震も火山の噴火も自然なのよ。
あなたがクソをちびりそうになって真っ青になるのだって自然現象なのよ?
アンタの命を奪い、愛する人と永別しなければならないのも死という自然現象なのよ?
アンタ達、それ含めて自然ラブって仰ってるのかしら?
自然は美しく優しいだけじゃないわ。
与えてくれるだけじゃないわ。
あたし達を容赦なく蹂躙し、奪い、徹底的に打ちのめす。
美と創造が自然の表なら裏の顔は死と破壊でしょ?
それら両面を含めて愛してる人なんているのかしら?
ほんと、安い愛よねぇ。
アタシは自然が恐ろしい。
この上なく恐ろしい。
そして偉大なものとして敬ってる。
畏敬の念というのがピッタリくるかしらね。
決して愛してなんかいない。
絶対、愛してない。
この先も愛することはないわ。
愛するには自然は大きすぎるし、比べてアタシは小さ過ぎる。
で、思うのよ。
自然へのやっすい愛に溺れてアップアップして判断力がおかしくなった現代人はともかくとして、自然の両面を身に沁みて理解してた太古の人たちは、どんな感情を自然に対して持ってたのかしら、って。
美と創造の面だけを愛して、死と破壊の顔は畏怖してた?
そういうアンビバレンツな感情のままで生活していたのかしら?
彼らはどんな気持ちで自然と共に生きていたのかしら?
あたしにはよくわからないのよ。
本当、わからないの。