苦労しながら成長していく主人公(渋川春海、安川算哲)に共鳴しながら
どんどん読み進めてしまう。
そして同じような感情を体験してしまう。
できあがってしまって「ほんとうなの?」と突っ込みたくなる何人もの脇役と違い、
主人公はなんだか超越していないけど
この人物はとっても魅力的。
それにつられてどんどん読んでいってしまう。
ひとつのものを極めていく(実はひとつではないのだが)ことのおもしろさを
味わせてくれる。
ただ、ストーリーの鍵を握る「数学の問題」の扱いにちょっと気がかりな点が…
「無術」と断定されているものが、なぜそうなのか、
シロートにはどうしても腑に落ちない。
もうちょっと丁寧に説明してほしいな。
もう一つ、
「L字型」という比喩表現が1カ所にあるけど、時代ものがたりではやっぱりやめてほしいぞ。