天地明察 | うみねこ島 ベストセラー以外の本を読みたい人のために

うみねこ島 ベストセラー以外の本を読みたい人のために

ベストセラーやポピュラーな本もいいけど、ちょっとつまらない、物足りない、
という人もいるでしょう。

このブログは、中世ファンタジーでなくても、魅力あるヒーローは作れることが実感できる
「黒ねこサンゴロウ」シリーズをみなさんに紹介するために開いております。

天地明察/冲方 丁

苦労しながら成長していく主人公(渋川春海、安川算哲)に共鳴しながら

どんどん読み進めてしまう。

そして同じような感情を体験してしまう。


できあがってしまって「ほんとうなの?」と突っ込みたくなる何人もの脇役と違い、

主人公はなんだか超越していないけど

この人物はとっても魅力的。

それにつられてどんどん読んでいってしまう。

ひとつのものを極めていく(実はひとつではないのだが)ことのおもしろさを

味わせてくれる。


ただ、ストーリーの鍵を握る「数学の問題」の扱いにちょっと気がかりな点が…

「無術」と断定されているものが、なぜそうなのか、

シロートにはどうしても腑に落ちない。

もうちょっと丁寧に説明してほしいな。


もう一つ、

「L字型」という比喩表現が1カ所にあるけど、時代ものがたりではやっぱりやめてほしいぞ。