大誘拐 RAINBOW KIDS | キネマの天地 ~映画雑食主義~

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(ほぼ)一日一本のペースで映画の感想を書いてます。

大誘拐 RAINBOW KIDS [DVD]/風間トオル,北林谷栄,樹木希林
¥4,725
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内容:岡本喜八監督が絶賛した北林谷栄の好演が光る天藤真原作の痛快犯罪コメディ。3人の青年が富豪の老婆を誘拐する。だが、いつの間にか老婆が誘拐の指揮を取り、家族に100億円の身代金を要求する。一方、老婆を恩人と慕う警部は必死の捜査を開始するが…。(amazonより)


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はい!今週の岡本喜八 監督枠は、1991年製作「大誘拐 RAINBOW KIDS 」です!!





ある夏の日の朝、大阪刑務所に仲間の正義と平太を迎えに行った健次は、二人に誘拐の計画を話す。最初は反対する二人だったが、健次のねらいは紀州一の山林王・柳川とし子刀自。さっそく計画を実行する三人。三人は隠れ家で身代金要求の策を練っており、その額が五千万円だと知った刀自はいきなり表情を変え、「大柳川家の当主なんだから百億や!」と三人に言い放つ。それによって誘拐犯と刀自の立場は完全に逆転してしまった・・・(goo映画より)





ほい、今更これと言って説明の必要もありませんよねー、誘拐された大金持ちの

おばあちゃんがいつの間にか犯人達のリーダーとなり、身代金を取る為に警察と

対決するという内容の痛快娯楽犯罪コメディです。



紀州一帯に広大な山林を所有する柳川家の当主・柳川とし子(北林谷栄)が何者かに

誘拐された。大恩ある刀自(=老女の敬称)を無事に救出するため、県警本部長の

井狩大五郎(緒形拳)警察の総力を挙げて犯人の行方を追う。

一方根は善良な犯人三人組(風間トオル、西川弘志、内田勝康)は、人質で

あるはずの刀自にいつのまにか主導権を握られ、身代金として10億円を要求するハメに・・・

ってなお話。



ストーリー、演出、キャスティング。もうどれをとっても素晴らしい傑作ですよねー♪ヘ(゚∀゚*)ノ

犯罪モノでありながら結果として誰一人傷つかず誰一人損をしないという鮮やかな展開も

さることながら、終盤明らかになる「動機」にはいかにも喜八監督らしい反骨のメッセージが

こめられており感動を誘います。女性が主人公ということで一見すると喜八監督らしからぬ

題材って気がするけど、終わってみれば紛れもなく喜八印の作品なんだもん。

またシリアスになり過ぎずかといって軽過ぎもしないコミカルな演出も見事ですし、

まさに喜八監督の真骨頂と言うべき作品でしょう。アッパレです!ヘ(゚∀゚*)ノ



それからキャスティングね。ジャケット写真をご覧いただけばわかるとおり、基本的には

北林谷栄さん緒形拳さんの作品であり、名優御二人の演技はもう観ているだけで

感動モノですよ。また天本英世さんや中谷一郎さんといったいわゆる“喜八組”の面々も

しっかり出演なさっててファンには嬉しい限りだし、初めて観た時は気になって仕方なかった

風間トオルのヘンな関西弁(笑)も、今になってみると「未熟で根は善良な青年」と言う役柄を

表すにはある意味ピッタリだったのかなと。

それに「ジャズ大名」 に続いてまたもや喜八監督の娘さんである岡本真実さんが

出演しているあたり、喜八監督の人間臭さが垣間見えて微笑ましいし♪





総評。

まるで「喜劇はこう作るべし」というお手本のような、90年代を代表する傑作だと思います。

・・・しかしアレだなぁ、北林谷栄さんも緒形拳さんも、そして喜八監督ももうこの世には

いらっしゃらないんだよなぁ。。。ラストを観たらそんなしんみりとした気持ちに

なっちゃいましたよ。。。(ノ_-。)

ともあれ、文句無しに面白いです。オススメ!!