≪1100本記念レビュー≫ | キネマの天地 ~映画雑食主義~

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レンタルビデオ鑑賞日誌



(ほぼ)一日一本のペースで映画の感想を書いてます。


ほい!今日の記事が通算1100本目のレビューとなりまーーーす♪ ヽ(゜▽、゜)ノイエーイ!!






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・・・1100本ってなんかビミョー(笑)





まぁなのでね、100本ごとにお届けしている記念作品も、今回は「決して誰にでもオススメはしないけれどオレは好きやもんねー♪(・∀・)」っつー作品にしたいと思いますよ。



ってワケで早速参りましょうか、1100本目に取り上げる作品は・・・




↓コイツ↓だっ!!ヘ(゚∀゚*)ノ




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ジャズ大名 [DVD]/唐十郎,古谷一行,財津一郎
¥3,990
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内容:岡本喜八監督が筒井康隆の同名小説を映画化したコメディ。江戸時代末期、アメリカから駿河の国の小藩に3人の黒人が漂着した。地下牢に閉じ込められた3人が演奏する4ビートのジャズに音楽好きの藩主の血が騒ぎ始め…。古谷一行ほか、個性派俳優が出演。 (amazonより)


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はい!1986年製作「ジャズ大名」です!!

監督は岡本喜八 、そして原作は敬愛する筒井康隆先生の同名小説です♪





南北戦争が終り、解放された黒人奴隷のジョーは、バーモント近くの激戦地跡で弟サム、従兄ルイ、叔父ボブの3人に出会った。彼らはニューオリンズから船に乗り、故郷のアフリカへ帰るため楽隊でもやって船賃を稼ごうと、ジョーが中心になって演奏を始めた。ボブのクラリネット、ルイのコルネット、サムの太鼓、ジョーのトロンボーンと、繰り返し演奏するうち、曲は軽快にジャズらしくなり、4人は夢中になって来た。4カ月たち、メキシコ商人にだまされた4人は、香港行の船の中だった。ある日、ボブが鳴らなくなったクラリネットを前に、病気で死んだ…。(goo映画より)




『チョンマゲ頭を叩いてみれば ニューオリンズの音がする』




ほい、幕末の日本を舞台に、メリケン渡来の「じゃずみゅーじっく」に魅了されたお侍さん達が

巻き起こす珍騒動を描いたスラプスティック・コメディです。


時は慶応3年。東西を結ぶ難所に位置する駿河のとある小藩では、幕府と朝廷いずれに

つくかで藩を二分する大騒動となっていた。しかし藩主の海郷亮勝(古谷一行)

我関せずとばかりに激変する情勢にも全く頓着せず、老中石出九郎左衛門(財津一郎)らは

やきもきするばかり。

 そんな中、浜辺に一艘の小舟が漂着する。舟の中には3人の黒人青年、南北戦争後の

奴隷解放に伴い故郷アフリカに帰るつもりがメキシコ商人(ミッキー・カーチス)に騙され、

香港に送られる途中で難破しかけた船を命からがら脱出したミュージシャン達だった。

いまだ遭った事が無い外国人の姿を一目見てみたいと切望する亮勝だったが、九郎左衛門は

これ以上の騒動は御免とばかりに人知れず処分することを進言する…ってなお話。



まータイトルからお察しいただけるかと思いますが、いかにも筒井作品らしいブッ飛んだ

内容のスラプスティック・コメディです。

物語の舞台となる小藩は駿河湾沿いに位置し、東西を行き来する上では箱根などの難所を

越えなければならない東海道を行くよりも、この小藩の城中(「領内」ではなく「城中」ですw)

通るのが最も早道でした。つまり東へ急ぐ倒幕派と西へ急ぐ佐幕派の双方が

城中(しつこいようですが「領内」ではなく「城中」ですw)の通行許可を求めてくるため、

どちらの側につくかは藩の命運に直結するワケですね。

 しかし300年続いた泰平の世に飽き飽きしていた藩主海郷亮勝にとってはどちらが勝っても

大差はなく、関心は浜辺に漂着した黒人たちと彼らの持つ奇妙な形をした楽器のみ。

なんとか彼らに一目会いたい、あの楽器に触ってみたいと願う亮勝は、煩型の老中

九朗左衛門の反対を押し切って彼らを場内に招き入れ、やがて文字通り上を下への大騒ぎ、

狂乱の宴へと突入するのでした。



まぁ同じくスラプスティック・コメディの大傑作である「ああ爆弾」 を知ってしまった今

この作品を観ると、亮勝が黒人たちに出会うまでの前半部はいささか冗長だし、

主人公亮勝を演じる古谷一行も伊藤雄之助さんに比べるといかにも平凡な感は否めません、

作品としてどちらをよりオススメするかと問われれば、ワタシは迷わず「ああ爆弾」を推します。

ただ、収録時間85分という短い本作の中で終盤約10分間にも渡って繰り広げられる

狂乱のジャム・セッション!! このシーンのハチャメチャさは「ああ爆弾」にも

勝るとも劣らない面白さだと思いますよーーーーーーっ!!ヽ(゚◇゚ )ノ

ガイジンも殿さまも腰元も倒幕派も佐幕派も坊主も町人もみんな集まってセッションだぜイェーーーーーーーイッ!!!ヘ(゚∀゚*)ノ 


しまいにゃエレキギター抱えたミッキー・カーチスおもちゃのピアノを

狂い弾く山下洋輔さらには屋台を引きながらチャルメラ吹かすタモリまで

現れるという、まさに筒井ワールドをそのまま映像化したようなカオスへと突入しますからね!

よくぞあの原作の狂乱世界を映像化したものです。喜八監督アッパレ!!ヽ(゚◇゚ )ノ

「歌と饒舌の戦記」なんかも喜八監督に映画化して欲しかったなぁ、きっと抜群に面白い

映画が出来たと思うんですけどね。ご逝去が惜しまれるなぁ。。。(_ _。)


歌と饒舌の戦記 (新潮文庫)/筒井 康隆
¥500
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↑領土問題に揺れる今の時代だからこそ全国民必読(笑)






総評。

こーゆーメタフィクション的なスラプスティック・コメディってなかなか

日本映画には無いですしね、原作や「ああ爆弾」ともどもぜひ一度観ていただきたい作品。

理屈抜きに楽しいッスから!!ヘ(゚∀゚*)ノ オススメですよっ!!