ああ爆弾 | キネマの天地 ~映画雑食主義~

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(ほぼ)一日一本のペースで映画の感想を書いてます。

ああ爆弾 [DVD]/伊藤雄之助,砂塚秀夫,中谷一郎
¥4,725
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内容:浪曲やジャズを用いたミュージカルシーンが全編を彩る痛快サスペンスアクション。刑務所から3年ぶりに出所したヤクザの親分・大作は、組が市会議員に立候補する矢東に乗っ取られていることを知る。憤った彼は万年筆爆弾で矢東を抹殺する計画を立てる。 (Amazonより)


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はい!今週も岡本喜八 枠は2本立てでお届けいたしますよー♪

ってワケでまず一本目は、1964年製作「ああ爆弾」です!





大名組六代大名大作は、子分の太郎をつれて、三年振りで娑婆に出て来たが、俗界のようすは一変して、大勢の子分をかかえた大名組も今は、市会議員に立候補する矢東弥三郎にのっとられていた。そして二号のミナコまで、子分のテツに寝取られて、大作は悄然とした。大名の家は矢東の表札がかけられ、妻の梅子は、新しい宗教にこって太鼓を叩き、息子の健作は、新聞配達をしているという落ちぶれように思い余った大作は、ドスを片手に殴り込んだが・・・(goo映画より)




・・・おおーーーっ!! これは凄げぇーー!!ヽ(゚◇゚ )ノ



ほい、岡本喜八監督の才気迸る奇怪痛快スラプスティック・コメディです。


傷害の罪で服役していたヤクザの組長大名(おおな)大作(伊藤雄之助)が、

3年ぶりに娑婆へ帰ってきた。

しかしかつて隆盛を誇った大名組もいまや市会議員候補の矢東弥三郎(中谷一郎)

乗っ取られており、大作は一人殴りこむがあえなく返り討ちにされてしまう。

おさまりのつかない大作は、服役中に知り合った爆破犯の田之上太郎(砂塚秀夫)

共謀、万年筆に爆弾を仕掛けて矢東を爆殺しようと企むが・・・ってなお話。




まぁストーリーはどうでもいいとして(爆)、もーなんつーか演出が素晴らしすぎますねー!ヘ(゚∀゚*)ノ

というのもこの映画、予告編の言葉を借りると“リズム映画”ってな作品でして(ミュージカルとは

ちと違う)、物語冒頭の狂言を皮切りに、浪曲や唱歌にジャズ、さらにはお経に至るまで

様々な音楽が取り入れられてるんですねー♪ヽ(゜▽、゜)ノ


木魚のリズムに合わせてムクムクと起き上るジジイ!

忍びこんだ屋敷の廊下で歌舞伎の花道宜しく見得を切る大作!

「10円足りなくて帰れない」とそろばん片手に踊る銀行員!

パーティーでツイスト踊っているうちに殴り合いの大ゲンカを始める若者たち!

他にも汽車の音と木魚のポクポク音でサンプリングのようにリズムを刻んだり、

きっと筒井康隆のスラプスティック劇を映像で表現するとこんな感じになるんじゃないかなぁと

思わせるような狂騒ぶりがとにかく斬新で楽しいったらありゃしない!ヽ(゜▽、゜)ノ

(注:喜八監督はのちに筒井康隆の著作「ジャズ大名」を撮ってます。レビューは後日。)



キャストも素晴らしいです。

まずは何と言っても主人公大作を演じる伊藤雄之助さん!ヽ(゚◇゚ )ノ

のジャケット写真そのままに、人を食ったようなおとぼけ顔で“ヨイヨイ”スレスレの老人を演じ

画面狭しと大暴れします。

また大作の舎弟の爆弾魔・田之上を演じた砂塚秀夫さんも良かったですねー♪

一見すると真面目でちょっと気の弱そうな学生風なんだけど、なぜかヤクザに憧れてるし

爆弾魔だし(笑) あと大作の妻役というあまり出番の多くない役で何故か越路吹雪さん

出てるのも可笑しかったっすw





総評。

まぁアレコレ書きましたが、基本的にコレはストーリーよりも音楽や踊り(能や狂言など含む)を

随所に盛り込む演出で成り立っているドタバタ劇なので、観てもらわない事にはその面白さは

伝わらないですねー。(・∀・)  動画でもあればぜひ貼りたかったんだけど残念ながら

見つからなかったので、あとは自分で金払って観て下さいな(爆)

まーとにかく鮮烈で斬新、ビックリするような作品でした。 オススメです!!