暗黒街の顔役 (1959年 岡本喜八版) | キネマの天地 ~映画雑食主義~

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(ほぼ)一日一本のペースで映画の感想を書いてます。

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内容:ギャングの世界から足を洗おうとする弟と、それを拒む親分との間に立つ兄の苦悩を描いた、岡本喜八監督のアクション映画。鶴田浩二、宝田明、三船敏郎ほか出演。(Amazonより)


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はい!例え全然反応が無くてもまだまだ続きます岡本喜八 特集

今週は2本立てでお届けしちゃいますよー♪ヽ(゜▽、゜)ノ

ってワケで1959年製作にして“暗黒街シリーズ”の第一弾、「暗黒街の顔役」です!

ちなみに同じタイトルでの作品もありますが、内容は全く関係ございませんので

念のため。


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↑主演のポール・ムニがとにかく素晴らしいギャング映画の傑作。

※レビューはコチラ⇒「暗黒街の顔役」(1932年 ハワード・ホークス監督版)







「西脇金融社長射殺!犯人は自動車で逃走、食堂勤めの少女が目撃」--新聞が大きく報道したこの事件が迷宮に入ろうとするころ。小松竜太は、親分の横光に弟・峰夫が歌手としてジャズ喫茶に出演しているのを止めさせると命じられた。竜太は暴力で飯を食う横光組の幹部で、弟の峰夫もその一員だったが、堅気の娘・陽子を恋してからは足を洗って歌手として身を立てようと考えるに至った。しかし、西脇社長殺しが横光組の仕業であり、その手先となって働いた峰夫が人目に立つことは許されなかったのだ。竜太は峰夫に歌手をやめるよう頼んだが峰夫の決心は固かった。かねてから竜太に対抗意識を燃やしていた同じ幹部の黒崎は、横光にたきつけて竜太を蹴落そうとし自ら峰夫の消し役を買って出た・・・(goo映画より)




はい、昭和30年代を舞台にしたギャング映画です。

横光組の幹部小松竜太(鶴田浩二)は、親分の横光(河津清三郎)から、竜太の弟

峰夫(宝田明)がジャズ・バーのステージに立つのを止めるよう言い渡される。

峰夫は陽子(柳川慶子)という娘に恋して以来ヤクザ稼業から足を洗いたがったのだが、

以前横光組と揉めた西脇金融を始末した際、居合わせた食堂の娘かな子(笹るみ子)

峰夫が顔を見られた事から、目立った事をすると横光組の関与がバレる恐れがあったのだ。

竜太は説得するが峰夫の決意は固く、また竜太に対抗意識を燃やす黒崎(田中春男)

この機に竜太を追い落とそうと暗躍し始め・・・ってなお話。



で、感想。


・・・う~ん、これまでの喜八作品がいずれも面白かっただけに、これはちょっと期待外れと

言わざるを得ないかなぁ。。。(-"-;A



はい、イマイチでした。それこそハワード・ホークス版「暗黒街の顔役」のような

ノワール調の骨太ギャング映画を期待していたのですが、蓋を開けてみれば

あまり出来がいいとは言えないアクション映画でしたねー。「愚連隊」シリーズほど

エンターテインメントに突き抜けているワケでも無いし、至って平凡な作品って感じですよ。



組の掟に従いながらも、たったひとりの弟峰夫を守るため奔走する竜太。

黒崎は虎視眈々と峰夫の命を狙っており、今は竜太に目を賭けてくれている横光も

いつ心変わりするかわからない。しかしそんな状況でも峰夫はステージに立ち続け、

人気歌手になった事からついに西脇事件の目撃者かな子が峰夫の顔を

思い出してしまう…ってな展開です。



まずこの作品、主人公竜太を演じる鶴田浩二さんがむぁっっったくヤクザ者に

観えないのが痛いッス(-"-;A まぁ竜太は「暴力だけでは無いヤクザ者」だから

いいっちゃいいんだけどさー、どこからどーみてもフツーのサラリーマンにしか

観えないのよね(笑) まずここで減点1。



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↑別の映画からの画像だけどほぼこのままの鶴田浩二さん。

 本作中では常にネクタイを巻いたスーツ姿なので、尚更サラリーマンっぽい




次に、三船敏郎さんの使い方がメチャメチャ勿体ない!!ヽ(;´ω`)ノ

黒崎にいいように利用される自動車工場のおやっさん役なんだけど、「なんでこの役を

三船さんが??(・Θ・;)」って思っちゃうぐらい不甲斐ない脇役なんですよねー。

役自体にもイマイチ登場させる必然性が無いし、ここでも減点ですな。



一方で良かった点はというと、まず竜夫が信頼を寄せる兄貴分の須藤を演じた

平田昭彦さんがカッコ良かったのと、あとは物語後半に登場する流れ者のヒットマン

五郎を演じた佐藤允さん!!ヘ(゚∀゚*)ノ いやぁ~ワタシすっかりこの方のファンに

なっちゃいましたねー♪ ひとりだけポール・ムニにも負けないぐらいノワールしてて

カッコいいったらありゃしない!!ヘ(゚∀゚*)ノ むしろ五郎を主人公に一本撮って

欲しいぐらいですハイ。

あ、あとはノワールのファム・ファタールのごとく妖艶さを振りまく草笛光子さん

なかなか素敵でしたよ、イマイチ意味のわからない役だったけど(;^_^A




ってワケで総評。

まぁ他にも宝田明や白川由美、天本英世やミッキー・カーチスなど東映のスターたちが

沢山出演しててそこは観てて楽しかったけど、ただ作品としてはちょっと今一つかなと。

とはいえ暗黒街シリーズはあと3本買ってあるのでそちらに期待しようかなー♪ヽ(゜▽、゜)ノ

以上、興味のある方はドゾ。