独立愚連隊西へ | キネマの天地 ~映画雑食主義~

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(ほぼ)一日一本のペースで映画の感想を書いてます。

独立愚連隊西へ [DVD]/佐藤允,加山雄三,水野久美
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内容:日中戦争終戦間近の北支戦線を舞台に、寄せ集めの兵隊たちの活躍を描いた、日本映画界の鬼才・岡本喜八監督が贈る戦争アクション作品。佐藤允、加山雄三、水野久美ほか出演。 (amazonより)


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はい!今週の岡本喜八 監督枠は、1960年製作「独立愚連隊西へ」です!!





北支戦線。歩兵第四六三連隊は八路軍に攻撃を受け、軍旗を抱いて脱出した北原少尉を残し、玉砕した。北原の消息は分らなかった。師団本部は将軍廟の第四六三連隊留守隊長大江大尉に軍旗捜索を命令し、増援隊として現役小隊を派遣した。その小隊は、隊長左文字少尉以下、日本軍隊からは厄介者扱いを受け、危険な戦線ばかりを転戦している独立左文字小隊だった・・・(goo映画より)




はい、言うまでも無く先日お届けした「独立愚連隊」 の続編です。

と言ってもストーリーに直接つながりは無く、佐藤允ら前作に続いて出演しているキャストも

全く違う役柄なんですけどねー。「日中戦争の北支戦線ではみ出し者たちの部隊が

大活躍する」という作品のコンセプトだけを受け継いだ作品だと思って下さいな♪(°∀°)b



で、感想、



・・・うん、これまたやたらと面白いぃぃぃっ!!!о(ж>▽<)y ☆




ほい、続編モノは大抵前作よりもつまらなくなるというジンクスも、ことこの作品に関しては

全く当てはまりませんねー! 前作と比べても遜色ない、いやむしろ更に面白く

なってますよ。素晴らしい娯楽作品ですっ!!ヘ(゚∀゚*)ノ



前作は兵士の謎の死を巡るサスペンス調の作品でしたが、今回は軍旗を探して“愚連隊”が

珍騒動を巻き起こしながら大活躍するアクション・コメディになっております。

激化する戦況の中、歩兵第四六三連隊は八路軍の攻撃を受けて全滅する。

累々と横たわる遺体の中でしかし連隊の誇りの象徴である軍旗だけが見つからず、

日本軍と八路軍の間で軍旗を巡る激しい争奪戦が繰り広げられていた。

兵士の数で圧倒的に勝る八路軍に軍旗捜索隊までも全滅させられた日本軍は、

増援として遊兵である独立左文字小隊を派遣する。

左文字少尉(加山雄三)を始めとする隊員達はいずれも手違いから戦死したことに

なっており、「死んでる者は裁けないだろう」とばかりに軍紀をたびたび無視しては

独自の行動をとる厄介者の集団だった…ってなお話。



“既に死んでいる”彼らにとって体面や軍紀ばかりを重んじる軍上層部の命令など

屁ほどの価値も無く、目的はあくまで軍旗では無くそれを命がけで守っているであろう

北原少尉の救出です。しかし隊には功績を狙って憲兵隊から志願してきた関曹長

(山本廉)や軍旗を狙って八路軍から送りこまれたスパイが紛れ込んでおり、

また梁隊長(フランキー堺)率いる八路軍の大隊も迫ってきています。

果たして軍旗は誰の手に渡るのか?そして“愚連隊”の運命は?!と手に汗握る

展開に終始ワクワクドキドキニヤニヤしっぱなしの107分ですよー♪(・∀・)



んでもってこの作品、名目上は前作で主演した佐藤允さんと、今回から加わった

加山雄三さんのダブル主演って事になってますけどねー、実質的な主人公は

左文字少尉を演じる加山雄三さんなんですよね。もちろん左文字の片腕的存在である

戸山軍曹を演じる佐藤允さんもそれなりに目立ってるんですけど、前作ほどでは無いので

そこは唯一残念な所でしたな。ただ前作でも目立っていた中谷一郎さん中丸忠雄さんも、

それぞれ売春宿の謎起き主人早川・八路軍捕まっていた所を救出した金山中尉と、

重要な役どころを演じて大活躍しているのでそこは嬉しい限りでした( ´艸`)


そして出番はさほど多くないながら強烈なインパクトを残しているのが、

八路軍隊長・を演じたフランキー堺さん!!!ヘ(゚∀゚*)ノ

いやぁ~~~、素晴らしい!!芸達者ってのはこーゆー方の事を言うんでしょうな、

もう笑いも感動も一人で全部持ってっちゃいそうな勢いですよ。サイコー!ヽ(゚◇゚ )ノ




総評。

前作と比較すると、戦争の不毛さ・組織の矛盾といった戦争映画らしいメッセージ性が

より強く打ち出されているのですが、しかし描き方はあくまで陽気でコミカル!

悲壮感など微塵もありませんよ♪(≧▽≦) アクションシーンもパワーアップしてますし、

徹頭徹尾エンターテインメントに徹することで戦争映画の辛気臭さを鮮やかにフッ飛ばし、

同時に権威や体面にすがる世のアホウどものケツを軽やかに蹴っ飛ばして見せた

痛快極まりない大傑作ですよ♪

ってワケで前作以上にオススメです!!ヽ(゜▽、゜)ノ