ジュニア・ボナー 華麗なる挑戦 | キネマの天地 ~映画雑食主義~

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(ほぼ)一日一本のペースで映画の感想を書いてます。

ジュニア・ボナー 華麗なる挑戦 [DVD]/スティーブ・マックイーン,ロバート・プレストン,アイダ・ルピノ
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内容:ロデオ大会に出場するために1年の大半を旅に費やしていたジュニアは、父のいるアリゾナに帰り競技に出場するのだが…。ロデオ競技を通じて失われゆく西部への限りない郷愁と愛着を込めて描くペキンパー監督の唯一銃撃と死体が登場しない作品。(Amazonより)


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はい!今週のスティーヴ・マックィーン 枠は、1972年製作「ジュニア・ボナー 

華麗なる挑戦」です! 監督は大好きなサム・ペキンパー!!ヽ(゜▽、゜)ノ






アリゾナ州、プレストン。1972年ロデオのチャンピオン、ジュニア・ボナー(スティーブ・マックィーン)は、かつて西部でならしたロデオの名チャンピオンで、若い頃ニューヨーク・マディスン・スクェア・ガーデンのロデオ大会に出場したこともあるエース・ボナー(ロバート・プレストン)の次男で、ロデオ競技会を求めて転々とする西部の渡り鳥である。プレストンでは、今年も7月4日に84年の歴史を持つフロンティア・デイ記念ロデオ大会が行なわれようとしていた。ジュニア・ボナーは、このロデオ大会に出場するためにエースや母エルビラ(アイダ・ルピノ)、兄カーリー(ジョー・ドン・ベイカー)の住む故郷の町プレストンに帰ってきた。彼がこの大会で戦いたいと思っているのは、かつて戦って乗りこなせなかった、牧場主バック・ローン(ベン・ジョンソン)の持ち牛サンシャイン号だった・・・(goo映画より)




・・・あぁ、オレこれ好きだなぁ。。。:*:・( ̄∀ ̄)・:*:

はい、ロデオに賭ける男とその家族の姿を描いたドラマです。

 ロデオ大会に出場しながら各地を転々としていたジュニア・ボナー(マックィーン)が、

久しぶりに故郷アリゾナ州プレストンに帰ってきた。目的はもちろんこの地で開催される

伝統ある大会、フロンティア・デイ記念ロデオ大会に出場するため。

しかしジュニアを待ち受けていたのは、同じく元ロデオチャンピオンである父エース・ボナー

(ロバート・プレストン)の農場を掘り返すブルドーザーだった。銀採掘での一攫千金を

目論んだエースが、農場をジュニアの兄カーリー(ジョー・ドン・ベイカー)

経営する不動産会社に売り払ったのだ。

しかし銀採掘はあえなく失敗、それでも懲りないエースは今度はオーストラリアでの

金採掘を目論んでおり、呆れた母エルビラ(アイダ・ルピノ)とは別居状態にあった・・・

ってなお話。



サム・ペキンパーといえば「ワイルド・バンチ」などの西部劇であり「わらの犬」などの

バイオレンス映画だと思いますが、その点で言うとこの作品は異色作ってことに

なるでしょうねー。舞台は西部アリゾナだけどもはやガンマンなど存在しない現代の

お話だし、暴力描写もほぼ皆無だし。

 だがしかーーし!ここは敢えて申し上げましょう。この作品は紛れも無く

サム・ペキンパーの映画であり、形こそ違えど「ワイルド・バンチ」と同様に

失われゆく西部への思いを綴った惜別の唄であると!!ヽ(゚◇゚ )ノ


かつて馬に跨ったカウボーイたちが駆け巡った農地は不動産業者によって宅地となり、

カウボーイたちがロデオや投げ縄の腕を披露できるのは競技の世界でだけに

なってしまった現代のアメリカ。

しかしそんな時代の流れに抗うように、暴れ牛の背に跨るたった8秒間におのれの命と

プライドを賭ける男たち。もはやガンマンもフロンティアも存在せず一攫千金など

夢物語でしかないこの世界で、それでも夢を追いかける男たちの愚かでしかし愛おしい

生き様を描いております。


失われゆく西部を象徴する父エースと次男ジュニア、まるで子供のようなこの二人が

魅力的なのはもう当然のことですが、しかし反対に“現代”を象徴する存在である

長男カーリーもワタシはとっても素敵なキャラクターだと思いましたねー!

父の農地を安値で買い叩き弟を広告塔にしようとたくらむ彼はエースやジュニアとは

まったく違うタイプの人間ですが、でも決して悪人じゃないんですよね。

彼は彼なりのやり方で故郷西部を、そして家族を愛している。

「信じないと思うが、これでも愛してるんだぜ」にはグッと来たよー!(ノ◇≦。)
母エルビラの父に対する思いも含め、本作はとある家族のドラマとしても

非常に優れた作品だと思いますよ♪


そしてもちろんロデオのシーンも見ごたえたっぷりです!ヘ(゚∀゚*)ノ

いまだ誰にも乗りこなせていない暴れ牛サンシャイン号と果敢に挑むジュニアとの

勝負を軸に、牛を引き倒す早さや暴れ馬を乗りこなす競争、果ては「乳搾り競争」など

様々な競技を堪能することができますよ♪



総評。

男のロマンティシズムと家族の愛が満ち満ちたこの作品。「ワイルド・バンチ」が

西部への送曲ならば、本作はさしづめ失われゆく西部への郷愁と思慕を奏でた

追想曲ってところでしょうかね。

もちろん意地と誇りを賭けて果敢に挑戦する無骨なジュニアを演じたマックィーンも

掛け値なしにカッコよかったッス!!ヘ(゚∀゚*)ノ

ただひとつだけ惜しまれるのは、この「華麗なる挑戦」って邦題ね。多分それまでの

「華麗なる賭け」「華麗なる週末」のヒットを受けてつけたんだろうけど、

これはちょっといただけない。ジュニアの挑戦はまったく華麗じゃありませんからね、

むしろ愚直とかいった言葉のほうがふさわしいもの。


とは言えそれも本作の価値を損なうものではございませんしね、マックィーン出演作の

中では知名度はさほど高くないと思いますが、ワタシとしては

オススメでございますよっ!ヘ(゚∀゚*)ノ