ぼんち | キネマの天地 ~映画雑食主義~

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レンタルビデオ鑑賞日誌



(ほぼ)一日一本のペースで映画の感想を書いてます。

ぼんち [DVD]/市川雷蔵,中村玉緒
¥4,935
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内容:市川雷蔵の「炎上」に続く現代時代劇の第2弾。原作は山崎豊子の同名小説。大阪船場の足袋問屋の若旦那が女性遍歴を重ね、大阪商人としての土性ッ骨を培って行く姿を描いた作品。(amazonより)


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はい!今週の若尾文子 さん枠は、1960年製作「ぼんち」をば!

監督はまたまた市川崑 、原作は山崎豊子の同名小説です。

そして主演はこの人、市川雷蔵!!ヽ(゜▽、゜)ノ




四代続いた船場の足袋問屋河内屋の一人息子喜久治は、祖母・きの、母・勢以にすすめられ砂糖問屋から弘子を嫁に貰った。河内屋は三代も養子旦那が続いたため、きのと勢以の力は絶大だった。二人は弘子をじりじりとしめつけた。妊娠した弘子は病気と偽って実家へ帰り、久次郎を産んだ。家風を無視されたきのと勢以は弘子を離別するよう図った。昭和五年、弘子を離縁してからの喜久治は新町の花街に足を入れるようになった・・・(goo映画より)




はい、二十世紀前半の大阪・船場に生きたとある男の一代記です。

タイトルの“ぼんち”とは、作品内で語られていた内容から察するに「“ぼんぼん”の

上級形」って感じかな??「ちゃんと能力や気骨も備えている有能なぼっちゃん」って

とこですね。


船場に代々続く足袋問屋・河内屋は女系家族で、現当主の喜兵衛(船越英二)も婿養子で

あったため、実権は妻の勢以(山田五十鈴)とその母・きの(毛利菊枝)が握っていた。

そんな河内屋にようやく生まれた跡取り息子が喜久治(市川雷蔵)だったが、なにかと

“しきたり”を振りかざしてはあれこれと干渉してくる母たちに辟易としていたのだった。

そんな喜久治も、母たちに押されてついに妻を娶ることになる。

相手は新興砂糖問屋の娘・弘子(中村玉緒)で、喜久治は親の決めた結婚ながら夫として

それなりに弘子を愛し子供も授かったが、ある日弘子が河内屋の家風に楯突いた事から、

母たちによる陰湿な嫁いびりが始まり・・・ってなお話。



本作は前述のとおり市川雷蔵演じる喜久治の一代記なのですが、同時に喜久治の人生に

関わってくる「女たち」の物語でもあるんですよね。

祖母・きの、母・勢以、妻・弘子をはじめ、芸者のぽん太(若尾文子)や幾子(草笛光子)、

女給の比佐子(越路吹雪)や料亭の仲居・お福(京マチ子)ら喜久治の二号さん・三号さんと

なる女たちの姿を通じて女という生き物の強さ、したたかさを描いており、その点では同じく

雷蔵主演の「好色一代男」 とちょっと似てるかなと。



んでもってね、主演の市川雷蔵がいい味出してるんですわぁ~~♪( ´艸`)

一見女癖が悪くだらしない“ぼんぼん”のようなのですが、実際は河内屋や家族、

女たちのこともちゃんと考えている心優しい立派な“ぼんち”なんですよね。

この辺の飄々とした感じを雷蔵が「好色一代男」同様実に軽やかに演じており、話の内容の

わりには厭らしさがまったく感じられないんですよね♪



そして女たちもまた良かったわぁ~♪

今回の若尾さんは、芸者として自分の立場をしっかりわきまえた上で貰う物はしっかりと貰う

“二号さん”のぽん太を演じているのですが、美しくしたたかな女はやっぱりハマリ役。

他の草笛光子越路吹雪京マチ子ら“女たち”もそれぞれ個性が違ってて

見応えたっぷりでしたし、祖母と母を演じる毛利菊枝山田五十鈴もさすがの存在感。

また出番は少なかったけど、マスオさん状態の父・喜兵衛を演じた船越英二

弱弱しい感じもまさにピッタリでしたw




総評。

いやー、これまた面白かったっす♪ヽ(゜▽、゜)ノ

女好きの色男がいかにして「女はもうこりごりやぁ。。。(´Д`;)」 と語るに至るか、

その過程をとくとご覧ください(笑)

ってわけでオススメ!!!