マンハッタン | キネマの天地 ~映画雑食主義~

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レンタルビデオ鑑賞日誌



(ほぼ)一日一本のペースで映画の感想を書いてます。

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内容:ウディ・アレン監督の79年度作。2度の結婚を経験し、現在は17歳の少女・トレーシーと付き合うアイザック。彼は気まぐれで俗物的なジャーナリストのメリーとも恋に落ちてしまうが、メリーは彼の親友の愛人だった・・・(Amazonより)


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ほい!本日2本目ー♪ヽ(゜▽、゜)ノ

ってワケでウディ・アレン 作品より、1979年製作「マンハッタン」です!

・・・しかしほぼ週2ペースでウディ映画観てるのに、まだ79年なんやね(;^_^A

(鑑賞可能な)全作品をレビューし終えるのはいつになることやらー!ヽ(;´ω`)ノ

・・・ま、面白いからいいんだけどさ♪ ( ´艸`)




アイザックは2度の離婚を経験し、現在の恋人は17歳の少女トレーシー。更に、彼は気まぐれで俗物的なジャーナリストのメリーとも恋に落ちてしまったのだが、メリーは彼の親友の愛人だった……。(Amazonより)





大都会ニューヨークの中心部、マンハッタン。

その名を冠した本作は、まさに“ニューヨーク派”ウディ・アレンの映画人としての神髄が

顕れた作品だと思いますよ。




マンハッタンのTV局でしがないコメディ作家として働くアイザックは、2度の離婚を経て

今は17歳の少女トレーシーと交際中。今日もトレーシーを伴い親友のエール夫妻と

食事を楽しんだ彼だったが、そこでエールから思いもよらない言葉を耳にする。

なんとエールはエミリーという素晴らし妻がいるにも関わらず、先日知り合った

雑誌ジャーナリストのメリーに惚れこんでしまい、密かに不倫しているというのだ。

 そして後日偶然メリーと遭遇したアイザックは、付け焼刃の知識を得意げに話す

彼女の鼻もちならない性格に大いに憤慨するが・・・てなお話です。




良く言えば先進的、悪く言えば退廃の街 ニューヨーク。

本作はそこで生まれ育ったウディの、生まれ故郷に対する深い愛情と自嘲が

入り混じったシニカルなコメディです。

スラプスティックな笑いが中心だった初期の作品から最大のヒット作「アニー・ホール」

経て映画監督としての立場を確かにしたウディですが、どうやら彼のスタイルはこの作品で

確立したようですね、これまでのバカバカしいほどの爆笑ギャグは影を潜め、

神経質で理屈っぽい自嘲ギャグ(?)が中心になっています。



ニューヨーカーらしい会話、ニューヨーカーらしい生活、ニューヨーカーらしい恋愛・・・

文化の最先端を自認するニューヨーカーたちの“ぶってる”様が傍から見ると

なんとも可笑しく、しかし一方では夜の摩天楼やガーシュインの手による音楽、

全編モノクロで表現された映像が掛け値なしに美しく。・・・うん、この作品の主役は

まさにタイトルどおり「マンハッタン」なんですよね。鼻もちならないけど愛おしい、

そんなウディの屈折した“ニューヨーク愛”が存分に表れてますよ。



物語のキーマンとなるのは、事あるごとに主人公アイザックに子供扱いされる恋人、

トレーシーです。

実際四十を超えてるアイザック達からすれば17歳の少女など確かに子供なのですが、

私達観てる側には彼女が一番大人らしく見えるというこの矛盾(笑)

インテリぶって頭でっかちに理屈で対処しようとする大人たちを見据える少女の眼は、

曇りや邪念がないぶんだけより本質を見抜けるのでしょうねー。

その全てが表現されているのがラストシーンです。

最後の最後にアイザックが見せたあの表情、素晴らしかったなぁ・・・。 :*:・( ̄∀ ̄)・:*:

やっぱり理屈じゃないのよね。ウン、理屈じゃないのだ!!ヽ(゜▽、゜)ノ




総評。

キャストも主人公を演じるウディや常連ダイアン・キートンはもちろんのこと、アイザックと

別れてレズビアンになった元妻役でメリル・ストリープが出ているなどなかなか豪華ですし、

なんといっても映像やセリフ・音楽などのオシャレさはさすが“ニューヨーク派”ウディ、

まさに面目躍如ですね。

「アニー・ホール」を差置いて本作をベストに挙げる方も少なくないようですが、それも

わかる気がするなぁ~♪:*:・( ̄∀ ̄)・:*:

というわけで、もちろんオススメです!!