ひゃくはち | キネマの天地 ~映画雑食主義~

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レンタルビデオ鑑賞日誌



(ほぼ)一日一本のペースで映画の感想を書いてます。

ひゃくはち プレミアム・エディション [DVD]
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内容:甲子園常連校の補欠部員にスポットを当て、彼らが抱く挫折や葛藤、友情などを描いた青春ドラマ。京浜高校野球部に所属する雅人とノブは、高校最後の甲子園出場を懸けて練習に励んでいたが、夏の大会を前に有望株の新入生が入部して…。(Amazonより)


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夏だっ!! ひまわり









海だっ!!  海











 

 

 

 




 

 

 

 

 

甲子園だぁぁっ!!甲子園





・・・ってわけで借りて参りました、「ひゃくはち」です!




高校野球の名門・京浜高校の補欠部員、雅人とノブは、2年の夏の県予選が終わった後、「来年は甲子園のベンチに入ろう」と誓い合った。プロからも注目を集める主力選手たちと一緒に、血のにじむような猛練習に耐える日々を送りながら、少しでも鬼監督の注目を集めようと寮長に立候補したり、あの手この手を駆使する日々。でも与えられる役割は、ライバルチームの偵察や雑用ばかり。そんな二人の前に強力な新入部員が入ってきて…。
(goo映画より)




連日熱戦の続く全国高校野球選手権大会。皆さまも自県代表校の勝敗に一喜一憂したり、

球児たちの流す熱い汗と涙に感動したりしてらっしゃるのではないでしょうか。

かく言うワタシも昨日自県代表の東北高校が見事に初戦を突破致しましたのでね、

今大会最注目の左腕・菊池を擁する花巻東ともども、今年こそは東北勢として初めての

優勝を成し遂げてくれはしないかと期待に胸を膨らませているわけですよ。



で、本作。

高校野球における最激戦区・神奈川県の強豪校として知られる私立京浜高校

本作はその架空の野球名門校を舞台に、ベンチ入りメンバーに選ばれるかどうかの

当落線上にいる2人、雅人ノブが球児としての最後の夏を迎えるまでの一年間を描いた

作品です。



高校野球を題材にした作品は数多くありますよね、「タッチ」しかり、「キャプテン」しかり。

題材としてはとっくに手垢がついてしまっています。

ただその多くはエースピッチャーや4番バッターなど、チームを勝利に導く中心選手を

主人公に据えていますのでね、本作のようにベンチ入りもままならないような

補欠選手を描いた作品というのはなかなか目新しいと思いますよ。



それからもうひとつ目新しい点。

高校球児ってとかく「野球一筋の真面目な少年たち」みたいな描かれ方をする事が

多いと思うのですが、本作は違うんですよね。主人公たちはタバコも吸えばSEXもする、

ごく普通の(って言っちゃっていいのかわからんけど)高校生なんです。

作品中で主人公の雅人が言う「タバコ吸うヤツを締め出したら神奈川の野球部は

半分になっちゃいますよ」という台詞は、完全な事実では無いにしてもそれに近いものは

あるでしょう。このように彼らを“今どきの高校生”として美化することなく等身大に描いたのは

なかなか挑戦的で評価できると思いますね、だって高野連あたりからクレーム付きそうだもんw



ただ・・・ちょぉっとやり過ぎたんじゃないかなぁ。

彼らを“普通の高校生”として描こうと思うあまりでしょうか、前半はコメディタッチのシーンが

続くんですが、それが多すぎるせいで肝心の野球のシーンがほとんど入っておらず、

まるで「遊んでばかりでロクに練習もしてない連中」みたいに見えちゃうんですよね。

まがりなりにも私立の野球名門校でベンチ入りを狙うほどの選手たちですから

本当は相当過酷な練習に耐えているはずなのに、その部分が十分に描かれていないんです。

そしてそこをちゃんと描くことで彼らの“普通の高校生”としてのオバカな面が面白くなると

思うんだけどなぁ…。あれじゃただのチャラいガキンチョみたいじゃないですか。

おかげでコミカルなシーンでもほとんど笑えませんでしたよ。。。(-。-;)



とはいえ、そうなってしまった理由もわからないでは無いんですけどね。

本作のタイトル「ひゃくはち」、それは野球のボールの縫い目の数を表します。

そして同時に、人間の煩悩の数も108つ。

煩悩を投げ煩悩を打つ、甲子園という一つの目標に向かって日々邁進するうちに

やがて邪念から解き放たれる彼ら高校球児たち。

それを表現するために前半は“煩悩の虜”としての彼らを描く必要があったんでしょうからねぇ。

・・・ま、もうちょっとスマートにやって欲しかったかなと(;´▽`A``





総評。

まぁオチも効いてたし、野球映画としてはなかなか説得力はあったと思いますよ。

「高校野球界で暗躍するスカウト」などダーティーな一面もちゃんと描いてましたし、

とかく感動の押し売りになりがちなジャンルの中でこ~ゆ~作品を作ることは

それだけでも意義はあったかと。

ま、感動の涙を流したいなら実際に試合を観ろ!「熱闘甲子園」を観ろっ!って話ですしね(笑)

若干の難点はありますが、まぁ満足は出来る作品でした。

興味のある方はドゾ!