泥棒野郎 | キネマの天地 ~映画雑食主義~

キネマの天地 ~映画雑食主義~

レンタルビデオ鑑賞日誌



(ほぼ)一日一本のペースで映画の感想を書いてます。


キネマの天地 ~映画雑食主義~-泥棒野郎



内容:非行少年だったバージルは、大人になっても、悪の道で有名になりたいと願うチンピラ男。彼がマヌケな犯罪を繰り返し、前科53犯という途方もない記録を作るまでをドキュメンタリータッチで描いた、ウディ・アレン初期の傑作。(Amazonより)


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はい!以前から予告だけしてましたウディ・アレン 特集をやっと始めますよっと♪(°∀°)b
ってわけで最初にお届けするのは、1969年の作品にしてウディが初めて監督・脚本・主演

三役を務めた映画、「泥棒野郎」です! 

…ホントは初監督作品である「どうしたの、タイガー・リリー?」を最初に

観たかったんですけどね、どうやらソフト化されてないみたい…残念。(-。-;)




ボルティモアのスラム育ちのバージル(ウディ・アレン)は、外見は貧弱で内気のうえに滅法ケンカに弱い男だが、ただ今5つの変名を使いわけ、53の犯罪を重ねてFBIから手配を受けているちょっとしたシタタカ者。ガキのときから手癖が悪く、といえば聞こえはいいが、物心ついたときには近所の悪童連の手足となって働いていた。それだけ弱かったワケで、肝心なときのシリぬぐいは彼の役目。両親もすっかり気の毒がって、マトモな道をとチェロを与えるが、生来の音痴でどーにもならない。それ以来、バージルは一大決心をしたのだ。チェロよりもはるかに年期の入った悪の道。未来の“カポネ"を夢みて悪知恵と手先の器用さに磨きをかけよう…(goo映画より)






…アレ? あれれれれ??






…おかしいな、どっからどーみても“ウディ・アレン印”の映画なのに













…コレ、なかなか面白いぞぉ~~~?!ヽ(゜▽、゜)ノ





はい、むか~し観たウディの映画がど~も性に合わず、「ウディ・アレン=苦手」

思い込んでいたワタシ。先日観た「マッチポイント」 「タロットカード殺人事件」

面白かったけど、アレは彼がニューヨークを出てからの作品だからそれまでの

流れからすれば「異色作」、好き嫌いを判断する上で基準には出来ませんよね。

まぁだからこそウディ特集を始めたのであり、好みに合わない事も覚悟の上で最初に

“監督キャリアの原点”とも言えるこの作品をチョイスしたのですが、これが予想に反して

普通に面白かったんですよ!それも、いかにもウディらしい作品なのにもかかわらず、ね。

…これはアレだな、理由として考えられるのは2つだな。




仮説その1:【「むか~し観た作品」というのがたまたま合わなかっただけで、

        実はウディ映画はちっとも苦手じゃない説】


「セレブリティ」や「ギター弾きの恋」がワタシはまるでダメだったんだけど、実はたまたま

自分に合わない作品をチョイスしていただけで、他の作品を観てたら面白いと思ったんじゃ

ないか?とゆー説。





仮説その2:【ワタシの嗜好が変わった説】


「セレブリティ」や「ギター弾きの恋」を観てから約10年。その間にワタシの好みが変化し、

ウディ映画の面白さもわかるようになったんじゃないか?とゆー説。




…う~んどっちかな。ってか皆さんにしたらどっちでもいいことだわな(爆)

まぁどっちにしろウディ特集を進めていくうちにハッキリするでしょうからね、それだけでも

有意義な企画だわな、とさりげなく自画自賛してみたり(笑)




閑話休題、内容について。


本作は「前科53犯に及ぶ大悪党(?)の半生を紐解くドキュメンタリー」という形を

とっています。で、その悪党(?)バージルを演じるのが当然ウディなワケですね。

んでもってなんで↑に「?」を付けてるかとゆ~と、このバージルという男、

その華々しい犯罪歴の割にはなんともチンケでトホホな男だから。。。(´Д`;)

ケンカはからっきしだし、オツムはてんで弱いし。前科53犯って言えば聞こえは

いいけれど(いいのか?)、要するにそれだけ捕まってるってことですからね。

そこん所のミスマッチを笑う作品ですよ。



笑いとしては…初期のウディ作品はみんなそうなのかな?後の作品に見られる

シニカルさはほとんど無く、実にスタンダードでわかりやすいものが中心です。

何度もメガネを踏みつけられたり(いわゆる“天丼”ってやつねw)、デートのために

スーツでビシッと決めたと思ったら下はパンツ一丁だったり(「探偵物語」とイッショ)と、

誰が観てもギャグだとわかる類の“笑い”ですね。

でもそれをベタと感じさせないところはさすがウディですねぇ、実にテンポがよく

洗練されてるので、むしろオシャレささえ感じてしまいましたよ。

…まぁ前日に観た作品 がとってもお下品だったせいもあるかも知れないけどw (;^_^A




それ以外の点に関しては、ヒロインに恋している場面の描写がとても抒情的

美しいです、映像も、音楽も。これがあるからコミカルなシーンの可笑しさが

より引き立つのよね。

キャストに関してはウディ以外あまり有名な方は出ていないと思いますが、

ヒロインを演じたジャネット・マーゴリンという女優さんがとっても綺麗でした。

「アニー・ホール」にも出てるみたいだから探してみよっと♪

ちなみにこのヒロインも「200本のたばこ」「噂のアゲメン…」同様ドジっ娘なんです

けどね、さすがに肉をパックごと焼くよーなコはいくら可愛くても御免こうむります(笑)




総評。

うん、なかなか面白かった!監督作品としてはコレが2作目のようですが、この時点で

既にウディらしい“洗練”が見て取れるあたり、やっぱり凄い人なんだなぁ、と。

ウディ映画が苦手な方って結構多いと思うんですけどね、試しに観てみるのも

いいとおもいますよ~?(°∀°)b

ってわけでオススメです。