熊本地震から、まもなく一年です。
 
地震から約1ヶ月半、
6月1日から熊本城のライトアップが
再開されました。
 
先般、映画「うつくしいひと」の
行定勲監督の講演で、
ライトアップされた熊本城を見る人たちが、
みんな涙を流していた、
と伺いました。
 
 
 
{2FF09431-972F-42A9-8771-EC01E54E1A8C}
石垣が崩れた様子は
広く報道されていきましたが、
傷つきながらも勇ましい姿が
闇に浮かび上がり、
それぞれ励まされたそうです。
 
「言葉」が大事だと言いましたが、
もちろん
「言葉」を通して誰かに、
何かに、どこかのまちに
想いを馳せるということも大切です。
 
 
 
 
 
茨木のイオンで始まったことが
 
「面白そう!やりたい!
   やろう!」
 
で、2月11日の企画に、
そして今日の講座に繋がっていきました。
 
{ABE757DD-CFCF-4122-944C-D57EBCEFF830}

 
あの日も今日も、
小さなお子さんから、年配の方まで、
年齢、性別、立場を問わず、
幅広い方々にご参加いただいています。
 
 
もちろん、セミナーや講演会で
学ぶ方法もあるのですが、
偉い方々の言葉を100回聞いて
わかった気になるよりも、
 
私は、出会いと関わりの場で
触れた言葉、
そこにいる人たちの顔、表情、
それらに想いを馳せていくことで、
学びは深まると信じてきました。
 
 
先程「被災地のリレー」という言葉を
紹介しましたが、
そこで重要なのは、
支援に向かう矢印の先には、
支援を受ける人がいる、
ということです。
 
つまり、私たちが被災すると、
色んな矢印が自分の方に向かっている
ということです。
 
災害ボランティアの文化が
根差したことで、
見知らぬ誰かが私たちを
助けに来てくれることは、
もはや想定内の出来事なのです。
 
そうやって助けに来てくれた方々の思い、
力学を
 
「支援力」
 
一方で、支援を受ける人の力、それを
 
「受援力」といいます。
 
この「受援力」という言葉は、
奇しくも東日本大震災の直前に、
内閣府がパンフレットをつくって
広め始めた概念です。
 
 
支援をしてくれる人たちの思いは、
受け入れる側の構えができていないと
受け入れられないものなのです。
 
助けるために、
現地に、駆けつけた人が、
 
「帰ってくれ」
「あんたら、いらん」
 
そう言われた時の悲しみにもまた、
想いを馳せていただければと
願っています。
 
 
しかし、その、支援を受ける力
「受援力」は、
日々の暮らしの中にこそ
現れると言われています。
 
 
{64608877-177B-4BED-8321-D0102366A153}
 
「防災」…
 
もちろん、自分たちの力で
備えることも大切ですが、
自力だけで、なんとかしていこうとするのは、
なかなか難しいものだと思っています。
 
 
備えることは、大切です。
しかし備えすぎないために
どうしたらいかを考えること、
これまた備え方の一つです。
 
 
構えることは大切です。
しかし
身構えが、固くなればなるほど、
相手の優しさや、思いを、
受け入れられなくなって
しまうことがあります。
 
 
 
ぜひ、
それぞれの適度な備え
適度な構え
 
と同時に
 
適切な問いと、
 
適度な問い直しを重ねてください。
 
 
 
 
ご静聴ありがとうございました。
 
 
 
……
 
 
 
山口洋典先生が、
私たちに、一番伝えたいことは、
「防災の知識」ではなく、
 
 
「災害」という
フィルターを通して見えてくる
人、そのもの。
 
 
人と人とが、関わり合い
混ざり合う中で生まれる
 
怒りや苦しみ、悲しみ、
そして喜び…
 
人が持つ、全ての感情。
 
 
それを浮き彫りにする出来事の1つに
「災害」があるのだということ。
 
 
「災害」は決して、特別で
非日常のものではない。
 
 
だから「防災」も
日常の中に、溶け込んで、
当たり前にあるものなのだと、
 
山口先生が、
大切に大切に紡ぐ「言葉」で
私自身、気づかせてもらった。
 
 
どんな時でも、人の優しさを
受け入れられる自分でありたい。
 
 
 
「いつでも本音を口にしよう。
 
   いつでも
   自分全開でいこう。
 
   ワクワクって、
   感情が湧くことを言うの。
 
   だから、怒りも涙も、
   湧く湧く、でいいの。
   
   頭で考えるんじゃなくて、
   湧いて来た感情が、あなたの羅針盤。
 
 
   特別な時だけじゃなくて
   いつでも
   湧いたまま出して、感じて。」
 
 
by  堀江尚子
 
 
 
 
きっと、これが
 
日常の防災。

 
 
 
大江でしたカナヘイハート