保険の見直し 18 予定死亡率のカラクリ | Do. の自然道 ~投資編~

Do. の自然道 ~投資編~

「心」と「お金」そして「自然」との関係を徹底的に追求することによって「やりたいことをやり続ける人生」を送ることができる、そんな真の投資家になる方法を研究しています。

生命保険の掛け金(生命保険料)が決まる要素は
3つあるとお話しました。

保険の見直し 15 保険料の仕組み

その3つとは、予定死亡率、予定利率、予定事業費率です。

その中の、予定死亡率について
もう少し詳しく見ていきます。

この予定死亡率というのは、
厚生労働省が発表する生命表によって計算されます。

5年に1度の国勢調査で確定する日本人人口(確定数)や
人口動態統計を元に完全生命表は作られるので
5年に1度の更新になります。

また、簡易生命表は推計の日本人人口と
人口動態統計月報年計(概数)を元に毎年作られています。

これらの数字を元に予定死亡率が計算されるので
基本的にはどこの生命保険会社でも同じになります。


ただ、ここに一つの盲点があります。

厚生労働省が発表する生命表は、
あくまでも日本人全ての人の統計になります。

ところが、生命保険に入る人は
事前に健康状態を確認されますから
死亡リスクは日本人全体の統計より少なくなるはずです。

ということは、実際の生命表より生命保険会社が採用する
予定死亡率は低くなると考えるのが普通です。

ところが、生命保険会社が採用している
死亡率の基準になる日本アクチュアリー会の
生保標準生命表を見ると、厚生労働省の生命表より
わずかですが高めに設定されています。

大まかな年齢で男性の死亡率を比較をすると
2007年のデータでは下記のようになっています。


   厚生労働省  日本アクチュアリー会
   生命表    生保標準生命表

0歳   0.099%     0.108%       
10歳 0.008%     0.014%
20歳 0.053%     0.084%
30歳 0.070%     0.086%
40歳 0.140%     0.148% 
50歳 0.331%     0.365%      
60歳 0.838%     0.834% 
70歳 1.960%     2.193%


60歳では逆転していますがそれ以外はすべて
日本アクチュアリー会の生保標準表のほうが
わずかですが高くなっています。


保険の基本的な考え方は、みんなで助け合うという
相互扶助ですが、当然ながら
胴元が儲かるようになっています。

もちろん、いろいろな経費がかかるので
それを上乗せすることは必要です。

その経費を付加保険料と言います。

また、純粋に予定死亡率を元に計算された
保険金を支払うために供えるためのお金を
純保険料と言います。

純保険料と付加保険料の合計が毎月支払っている
保険料になります。

生命保険会社は付加保険料だけでなく
本来なら純粋に分配する必要がある純保険料も
上乗せしていると考えられるわけです。

どんなギャンブルでも胴元が一番儲かります。

もちろん、FXもそうです。

莫大な資金があるのなら
FXをやるよりFX業者になったほうが儲かるのは当然です。



参考
週刊ポスト 2013年1月11日号
厚生労働省 簡易生命表
日本アクチュアリー会