5年半を過ごしたオンタリオ州のキッチナー/ウォータールーだったが、ちょっと郊外へ足をのばせばそこには非常に牧歌的な風景が広がっていた。そしてそこを流れるクリークやグランドリバーの支流にはまさにビオトープと呼びたくなるような環境があり、しかもそれが人工的に作ったものではなく自然のままで存在していた。

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キッチナー/ウォータールーの北西にあるリトルメイトランドリバー


こういった素晴らしい環境が保たれている大きな要因に、メノナイトの人々の存在があった。メノナイトとはキリスト教の一派で、19 世紀以前の暮らしを頑に守り続けて生きている人々である。実際にどんな感じかというと、「大草原の小さな家」の世界を想像してもらったらいい。ああいった出で立ちで車ではなく馬車に乗り、電気のない暮らしをしているのだ。

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キッシングブリッジを撮影している時にちょうど通りかかったメノナイトの人々の馬車。ウォータールーのホームセンターなどには馬車用の駐車小屋があって驚いたものだ。


メノナイトの人達は頑に文明を拒絶しているものの、決して排他的ではない。何度か釣りをしているところを馬車が通りかかったことがあったが、馬車を停めて興味深そうにこちらを見ていた。ただそこからは普通のカナダ人のように話しかけて来ることはなく、あくまで慎み深い人達だった。

時々よく思ったのは、私たちと彼らのどちらが本当に幸せだろうか、ということだった。