ウルトラ長崎の考え | ULTRA NAGASAKI WEST END公式BLOG

ウルトラ長崎の考え

10月11日(土)にNDソフトスタジアム山形にて開催された、J2リーグ第36節 モンテディオ山形対V・ファーレン長崎戦の後半試合中にモンテディオ山形サポーターによる相手選手への挑発的行為があったとのことで、モンテディオ山形より試合を観戦された方と、V・ファーレン長崎の関係者の方々に謝罪が発表されました。

我々ウルトラ長崎は、この謝罪を断固として拒否させて頂きます。
なぜなら、何も謝罪されるような行為はなかったと考えているからです。

「モンテディオ山形サポーターによる相手選手への挑発的行為があった」とのことですが、挑発行為のどこがいけないのでしょうか?

「みなさまが楽しく快適にスタジアムで観戦が出来るよう、モンテディオ山形はクラブ関係者、ならびにサポーターのみなさまにJリーグとクラブが共に掲げる「ソーシャル・フェアプレー」の実現に向けた活動を継続して進めてまいります。」とあります。
ソーシャル・フェアプレーとはなんでしょう?
・反社会的勢力との関係遮断。『暴力団等排除宣言』(2012年2月~)
・差別の根絶
・Jリーグとして社会的責任を果たす
だそうです。
挑発行為は、どれにも当たらないと思われます。

「みなさまにおかれましては、観戦ルールの順守を改めてお願い申し上げます。」とのことです。
観戦ルールのJリーグ統一禁止事項に、「差別的、侮辱的もしくは公序良俗に反する言動の禁止※当該言動が上記に該当するかは主管クラブが判断することとします」と言うのがありますが、挑発行為が禁止とはなっていません。

それはそうでしょう。ある特定のチームを応援するということは、大なり小なり挑発行為が発生します。
絶対に勝つとは、相手が必ず負けると言っているのと同じ意味なので、人によっては挑発行為ととらえるでしょう。
「絶対に負けられない戦いがある」なんて、こんな弱小駄目チームに負ける訳がないと言っているんだな、という解釈をする人がいるかもしれません。
ものすごい挑発発言です(笑)
自分たちのチームが点数を入れた時に喜ぶということは、相手チームの失点を喜んでいるというこですから、完全に挑発行為です。

つまり挑発行為が禁止事項となれば、特定のチームに対する応援は全て禁止になりかねないということになります。
そんな馬鹿な話はありません。

では、「侮辱的もしくは公序良俗に反する言動の禁止」部分でしょうか?
公序良俗に反するとはなんでしょう。
「様々な角度から用いられるが、大きく次の3つに分類することができる」とのこと。
・財産的秩序に反する行為
例として、貸金債務が弁済されない場合には、貸金の約2倍になる保険の解約返戻金を債務の弁済に充てる旨の特約
・倫理的秩序に反する行為
例として、配偶者のある者と、それを知っている第三者との間で結ばれた、将来婚姻をする旨の予約、およびそれに基づき婚姻・入籍するまで扶養料を支払う旨の契約
・自由や人権を害する行為
例として、16歳にも達しない少女が酌婦として稼働する旨の契約、およびこれに伴う消費貸借契約・連帯保証契約

中指を立てるという行為は、どれにも当てはまりませんね。

最後に残ったのが、侮辱的な言動です。
侮辱とは「相手を軽んじ、はずかしめること。見下して、名誉などを傷つけること。」とのこと。
中指を立てる行為を行った人物は、相手を軽んじていたのでしょうか?見下していたのでしょうか?
こればかりは、この行為を行った人物に聞いてみるしかありません。

が、よく考えて見てください。
クラブ側は、公序良俗に反する言動を禁止しています。
つまり、自由や人権を害する行為をクラブは禁止しているのです。
人権には、自由権があり、外面的精神の自由として「表現の自由(第21条)」が保障されています。
これは日本国憲法で保障されていることなので、観戦ルールよりも優先されることとなります。
誰でもが自分の価値観に基づく表現(応援)をする権利があるということです。
中指を立てるという行為が侮辱的に該当するかは主管クラブが判断することとは言え、憲法で保護されている権利を侵害して良い訳がありません。

断罪されるべきは、自分の価値観と違うからと言って、独善的な正義感を振りかざし、他人の価値観を否定する行為です。

中指を立てる行為をしているサポーターから「お前も中指立てろよ」って強制されるのは嫌でしょう?
中指を立てるなよって他人に強制する行為は、中指を立てろよって他人に強制する行為と何も変わりません。
価値観が違うだけです。

今回の騒動の発端は、長崎のサポーターのtwitterにもあったようです。
自分と違う価値観を認めず、独善的な正義感で他人を断罪するサポーターが長崎にいたということは、とても悲しいことです。

ただ、それ以上に深刻な問題は、コンサドーレにしろ横浜FCにしろモンテディオにしろ、憲法で保障されている基本的人権を侵害している可能性のある行為を、クラブ側が行っているという現実です。

そのような基本的人権侵害する可能性のある行為をするクラブの興行しているスタジアムで、子供からお年寄りまでが安心して快適に観戦出来るはずがありません。

各クラブも色々な苦情が入って大変だとは思いますが、ある特定の価値観だけで物事を判断しないように、毅然とした態度をしめして頂きたいと思います。

ちなみに、ウルトラ長崎は、中指を立てる行為を推奨する気は一切ありません(笑)
我々に対して中指を立てる挑発行為が行われた場合、俄然闘争心が燃え上がり、こんなやつらに絶対に負けたくないと普段以上に応援に気持ちが入るでしょう。
だからこそ、勝った時は何倍も喜びが増しますし、負けた時は死ぬほど悔しく、次回は絶対に負けまいとさらに応援に力が入ります。

挑発行為というのは、サッカー観戦のスパイスです。
人それぞれによってまずいスパイスもあれば、うまいスパイスもあるでしょう。
でも、どちらにしろスパイスの効いていない料理は、単調で多くの人々を魅了することはないでしょう。
そのようなつまらないスタジアムになってほしくないと、ウルトラ長崎は考えています。